「推薦は狭き門」というイメージとは裏腹に、女子校では推薦枠があふれる「バブル」状態に。一方で、誰もが狙うような難関大学の推薦枠が、進学校でまさかの二次募集になるという事態まで発生しています。
地域や学校の種類によって、推薦入試の難易度には驚くほどの格差が生まれているのです。さらに、条件を満たしていても出願できない意外な落とし穴も……。
『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(杉浦由美子 著)より一部抜粋し、推薦入試を検討している受験生なら必ず知っておきたい、推薦制度の知られざる実態をお伝えします。
女子校は推薦バブルになっている
もし、推薦で大学を目指すなら、女子校はお薦めです。女子校の多くは中高一貫校ですが、高校から入れる学校もありますよね。
難関大学や理系学部は女子学生を増やしたいという希望がありますから、女子校に高大連携の話を持ちかけたり、指定校推薦を出しています。
同じ偏差値帯の共学や男子校とは推薦の枠は雲泥の差で、女子校は多くの指定校推薦がきています。推薦入試で大学進学を目指すならば、女子校は狙い目といえましょう。
また、伝統ある共学や男子校も、長い歴史の中で大学と信頼関係を築いているため、指定校推薦はたくさんきています。特に東京理科大学や四工大(芝浦工業大学、工学院大学、東京電機大学、東京都市大学)などの理系の指定校がたくさんきていることもあります。
私立高校の先生たちは異動がないので、勤務先を良くしようという思いが強く、学校の信頼感を高めようと努力をされる場合も多いです。今回、取材していても生徒一人一人をしっかりと見て指導をしていて感服しました。
そのように、きちんと指導をしているので、推薦の枠がたくさんくるのです。
地方の高校は都内大学への推薦で有利
もう一つ、今、推薦がたくさんきているのは地方の高校です。東京の大学は地方の学生に来てほしいので、地方の高校へ指定校推薦を出します。ある都内の難関大学は首都圏では偏差値が高い高校にしか指定校推薦の枠を出さないのに、地方だと偏差値50くらいの高校へも指定校推薦を出しています。
そのため、地方に住んでいる方ほど高校受験の際に指定校推薦を意識してもいいかもしれません。
ただ、一部の大学では推薦入試の枠を増やしすぎたという判断から推薦を減らすケースも出てきています。その場合は総合型選抜ではなく、指定校推薦を減らすため、期待していた指定校推薦の枠がこなくなってしまう可能性もあるので、そういった事情も把握してください。



