あなたの読書は非効率? トップ5%社員に学ぶ「成果につながる」読書習慣

トップ5%社員の68%が「選読」を実践。彼らは本を最後まで読み切らず、必要な部分だけを選んで読むことで時間効率を高めています。なぜエリート社員は「選読」を選ぶのか? その理由と効果的な方法を紹介します。

あなたは手に取った本を必ず最後まで読み切っていますか? 驚くべきことに、年間50冊以上の読書をするトップ5%社員の68%が「選択的読書」を実践していることがわかりました。彼らは本を全部読むのではなく、自分に必要な部分だけを選んで読むことで、時間効率を最大化し、成果につなげているのです。

『AI分析でわかったトップ5%社員の読書術』(越川慎司 著)から一部抜粋し、ハイパフォーマーたちが秘かに実践する「選読」の理由と具体的な方法を紹介します。
トップエリートの68%が捨てた
トップエリートの68%が捨てた"完読"の常識とは(画像出典:PIXTA)

トップ5%社員の68%が「選読」して全部読み切らない

驚くことに、年間50冊以上の読書をする5%社員のうち68%が、興味がある部分だけを読む「選択的読書(以下、選読)」をした経験があると回答しました。手に取った本を必ずしも最後まで読み切っていないのです。

では、なぜ特定の箇所を選択して読む「選読」をしているのでしょうか? 追跡調査で、2つの理由がわかりました。

1つ目の理由は、「時間効率」です。彼らは自分の時間が非常に貴重であることを理解しており、読書においても最大限の効果を得る方法を模索しています。

5%社員は、自分にとって重要な情報、すなわち自分の業務や興味のある分野に直接関連する内容だけを選択して読むことがあります。これにより、必要な情報を効率的に吸収することができます。

2つ目は、「選択と集中」の戦略です。情報過多の時代においては、自分にとって価値のある情報が何であるのかを見極める能力が求められます。5%社員は、経験をもとにして仮説を立て、自分の目標達成に役立つ本質的な情報だけを選びます。余計な情報に時間を浪費しないようにする戦略です。

彼らは、すべての本を最初から最後まで丁寧に読むのではなく、目的に応じて読むべき部分を選んでいます。重要な情報を素早くキャッチして、自分の知見に取り入れることで、時間という貴重な資源を最大限に活用しています。

選読で読まなかった部分は、半年後、1年後の再読の際にチェックしていることもわかりました。つまり、読書の時点で必要だと思うパートを選択していたのであり、読まない部分を完全に捨てるわけではないことも判明しました。

効率的な読書術を身につけることは、単に知識を得ること以上の価値を私たちにもたらします。それは、情報を選択し、理解し、応用する能力を養うことです。彼らはこうした能力の積み重ねによって、他の人と差をつけていたのです。
 
AI分析でわかったトップ5%社員の読書術
AI分析でわかったトップ5%社員の読書術
せっかく本を買っても、なかなか1冊読みきれない
せっかく本を買っても、なかなか1冊読みきれない人の必読書
越川慎司 プロフィール
株式会社クロスリバー代表 / 元マイクロソフト役員 / 800社17万人の働き方改革を支援 / 年間300件のオンライン講演・講座を提供 受講者満足度96% / 著書は『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー)シリーズ全5作など31冊。NewsPicksなどメディア出演多数。
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