
超ロケットスタートの興行は右肩上がりに
その成績は前作『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』をも超えて、第28作目にしてシリーズ最高の記録。シネコンでは1日20回以上、中には40回以上も上映される劇場もあり、満席近い回が相次いでいました。人気は衰え知らず……どころか右肩上がり。毎年恒例の劇場鑑賞をこれほど多くの人に促しているコナン映画の「信頼」は、とてつもなく強いものだと改めて知りました。
具体的な今回の『隻眼の残像』の作品そのものの魅力、気になったポイント、さらに「リモコン」の考察は後述するとして、ここでは座席の揺れなどのアトラクション的な要素がプラスされる「4D」上映を推しておきたいです。
何しろ派手なアクションの見せ場があるコナン映画と、4D上映との相性は抜群であり、今回もまったく例外ではなかったのですから。まずは、前置きとして3つの注意点を記しておきましょう。
注意点1:MX4Dよりも4DXを選んでほしい
4Dには、TOHOシネマズで展開する「MX4D」と、イオンシネマなどでの「4DX」の2種類があります。どちらを選べばいいかと迷う人もいるでしょう。結論から申し上げれば、筆者は断然4DXをおすすめします。なぜなら、4DXにはMX4Dにはない、劇場の上から降る「雨」、スクリーン手前に降る「雪」、湧き立つ「バブル(シャボン玉)」の演出があるからです。
作品によっては「雪」や「バブル」の演出がそもそも(劇中に該当するシーンがないために)使われないケースもあるのですが、今回の『隻眼の残像』の主な舞台は雪山であり、そのおかげでもあって「雪」の演出がとても効果的に使われているのです。
注意点2:「雪の演出がない」劇場もある
注意点としては、4DXの全ての劇場で演出は一律ではなく、劇場によっては「雪」や「バブル」の演出がない場合もあることでしょう。例えば、「ユナイテッド・シネマ なかま」や「ユナイテッド・シネマ 幕張」では、一部設備の仕様が異なるためこれらのエフェクトがないと明記されています。
また、シネマワールドの4DXの公式Webサイトでは店舗別の「ギミックの表」も作られており、それぞれの演出があるかないかが分かるので、ぜひ参照してください。
ちなみに、筆者は「イオンシネマみなとみらい」で見ましたが、しっかり雪が降っていたことを報告しておきます。
注意点3:「風」や「水」の演出のため寒さ対策も必要?
4DXには劇場全体を吹く「風」や、前方から吹き付ける「水」の演出があるため、人によっては肌寒く感じられる場合もあることにも留意した方がいいでしょう。羽織れる上着を持っていく方がいいかもしれません。なお、「ずぶ濡れ」というほどの水量ではないものの、吹き付ける水は座席横のボタンで「ON/OFF」を切り替えられるので、苦手な人はOFFにしてもいいでしょう。
さて、ここからは今回の『隻眼の残像』における4DXの魅力を紹介します。具体的な展開のネタバレはないように書いたつもりですが、予備知識なしで4DXの演出に驚きたいという人は、先に劇場へ駆けつけてください。