「二子玉川駅」には何がある? 「ライズ」「高島屋」の2大施設だけじゃない、川岸のスタバや下町商店街も
東京都と神奈川県の境目・多摩川に面した世田谷区の「二子玉川」。高島屋や二子玉川ライズが有名ですが、ほかには何があるのでしょうか。実際に降りて確かめてみました!
高島屋の裏手にある、ローカルな「二子玉川商店街」
ここだけ見るとあの「ニコタマ」とは思えないのんびり感
ここまでは二子玉川ライズと玉川高島屋S・Cを紹介しましたが、このほかにも二子玉川にはローカルな見どころがあり、その1つが「
二子玉川商店街」です。
庇(ひさし)部分に年季が入っています
商店街は玉川高島屋S・Cの裏手に広がっており、昔ながらの飲食店など、個人経営のお店がたくさんあります。年季の入った和菓子屋やラーメン屋もあり、一般的な二子玉川のイメージとは趣の異なる、昔ながらのローカルなエリアになっています。
ゆったりお散歩におすすめ
その商店街にほど近い「
谷川(やがわ)緑道」は名前のとおり、かつての谷川の跡地を再整備した場所。大型ショッピングモールや246号のにぎやかさから離れ、ゆったりと歩ける道として、住民の散歩路や生活路に利用されています。「花みず木の小径(こみち)」という別名もあります。
緑道の途中に入口があります
緑道の散策中に「
cafe&art 土筆(つくし)」でくつろぎつつ、コーヒーやランチを楽しむ休日もよさそうですね。
この日は営業時間を過ぎていたため店外のみ撮影
そして緑道の先へ少し進んだ場所にあるのは、地域の歴史博物館である「
大勝庵 玉電と郷土の歴史館」。非常に手作り感の強いこじんまりとした外見。中では二子玉川にかつて東急玉川線(玉電)が走っていた頃の貴重な資料や、“玉電”ゆかりの品々が見られます。
多摩川近くの公園には区の文化財が!
ここまでは二子玉川駅の東側と西側を見てきましたが、最後に駅の南側、つまり多摩川沿いの方も軽く散歩してみます。
二子玉川ライズ側の階段上から撮影
多摩川に近い「
二子玉川公園」は二子玉川ライズなどと同様に地域の再開発で誕生したスポットであり、開業は2013年。二子玉川ライズからはテラスマーケットを経由して、信号や横断歩道を挟まず直通で入れます。
丁寧に整えられた竹が良い雰囲気
園内はきれいに整えられており、豊かな緑を存分に満喫できます。
公園の中に庭園があります
また、園内には世田谷区の公園として初めての本格的な日本庭園「
帰真園」も。
こうした風景を無料で散策可能!
この庭園は多摩川の源流から本流まで、緑豊かな丘陵と武蔵野の風景を再現した空間になっているとのこと。また、誰もが快適に園内巡りを楽しめるユニバーサルデザインになっており、四季や時間による風景の変化も感じ取れるなど、さまざまな工夫がされているそうです。
池に囲まれて風雅なたたずまい
同じく園内にあるのは、登録有形文化財「
旧清水家住宅書院」。明治期の近代和風建築をゆったりと見学できます。
2度も引っ越したとは思えないどっしり感
書院はもともと台東区根岸にあり、大正時代に世田谷区の瀬田に移築され、さらに2013年に再移築で現在の公園内に復元されたそうです。
公園にもそこかしこに人が多くいます
さまざまな見どころがある二子玉川公園を後にして階段を登ります。
川沿いに腰掛ける人がたくさん
歩道橋からの景色は広々としています! 川沿いに腰掛けてゆったり過ごす人が多いようです。
遠くに見える武蔵小杉のタワーマンション
遠くには武蔵小杉のタワーマンション群も見えます。
屋外のスタバ店舗に人だかり
また、ここには「
スターバックスコーヒー 二子玉川公園店」も。取材日は休日とあってかなりの混雑でしたが、平日や朝など、込み合っていない時間帯を狙って行きたくなるような、絶好のロケーションです。
遠方を走っていく東急線
二子玉川公園からさらに先へ行くと、広々とした多摩川河川敷の風景が。遠く対岸にあるのは神奈川県川崎市。ここから駅の方向に戻っていきます。
いろんな人々が河川敷でくつろぎタイム
川辺の遊歩道には、カップルや家族連れもたくさん。アウトドア用品を並べてソロキャンプをしている人や、レジャーシートを敷いてピクニックを楽しむ人たち、ギターを弾いている人もいました。
ほんとに目立たない場所なので、探す時は地図アプリ必須
多摩川の土手近くの目立たない場所には、江戸時代の元禄年間(1688〜1703年)からあったという渡し船「
二子の渡し」について伝える石碑が。多くの人々がここから対岸へ、対岸からここへと日々行き交っていたのでしょう。
二子玉川は緑豊か&再開発エリアも豊か!
春の菜の花と鉄道
現在は江戸の渡し船も遠い過去のものとなり、多摩川の岸と岸の間を今は電車や車が行き来しています。駅前に戻れば1960年代に開業した玉川高島屋、2010年代に登場した二子玉川ライズが地域のコアとして現在も活躍中。
場所ごとによってさまざまな時代の空気を感じ取れることは、二子玉川歩きで発見した「街の個性」と呼べそうです。
今日もニコタマを多くの人々が行き交います
加えて街のあちこちに公園や緑道、施設緑化や河川敷などの緑が多く、生活の便利さとナチュラルテイストが両方欲しい人にこそおすすめしたくなる水辺タウンです。
この記事の筆者:デヤブロウ プロフィール
都内在住の街歩きライター。Yahooエキスパートとして台東区の地域情報を発信するほか、「macaroni」など複数メディアで執筆を行う。飲食店、博物館、銭湯巡り、寺社探訪を中心に地域情報を発信中。東京シティガイド検定を取得済み。