
ところが実際にフランスへ渡ってみると、現地の人々が本当に靴を履いたまま家に入っているのを見て驚くことになります。ソファでもやっぱり靴を脱ぎません。この習慣に慣れるまで、日本人である筆者はかなりの時間を要しました。
しかし、フランス生活が長くなり、人々の暮らしをじっくり観察してみると、靴の扱いに関しては意外と個人差があることに気づきました。
玄関に靴を脱ぐための「土間」がないフランス

玄関を開けると、靴のまますぐにリビング、キッチン、ダイニングといった生活スペースにアクセスできる構造になっています。ここからも、フランスの家が「靴を脱ぐ前提では設計されていない」ということが分かります。
ただ、靴を脱がない習慣が根付いているフランスでも、家に入ったらすぐに室内履きに履き替える人が増えつつあるように思います。その理由は、主に衛生面。2020年から始まったコロナ禍以降は、室内履きを使うフランス人が格段に増えたという報道もありました。
実際のところ、フランスでは「靴を脱ぐ派」「脱がない派」「どちらでも良い派」の3タイプに分かれています。1番多いのは「どちらでもOK派」というフランス人なのですが、今回はそれぞれの特徴や主張を細かくまとめてみました。
靴を「脱ぐ」人

屋内を外靴のまま歩くなんて、汚い……。そう感じ始めたフランス人は、筆者の周りでも結構います。特に、フランスでは道路に犬のふんが落ちていることが日本よりも圧倒的に多く、うっかり踏んでしまった靴のままで家に上がる、なんてケースが後を絶ちません。近年では、そうした状況を嫌がるフランス人が増えてきた印象です。
写真のような玄関マット(外靴用)はフランスのほとんどの家にありますが、靴を脱ぐ派の人たちは、帰宅時にここでしっかり汚れを落とし、靴を脱いでからすぐにスリッパに履き替えます。彼らの主張としては、「その方がリラックスできるし、床も汚れなくていい」のだそう。
また、この“靴を脱ぐ派”は20~40代に多い印象です。これは日本や韓国のアニメ・エンタメ文化の影響が大きいようで、最近ではパリのショップでもおしゃれなルームシューズがたくさん置かれるようになりました。