セール、古着、フリマサイトが大好き

パリの街を歩くと、「ユニクロ」や「ZARA」には常に多くの人が訪れている印象を受けます。手頃な価格の洋服はフランスでも人気が高く、セールの時期ともなれば、デパートやブティックはさらに多くの人でにぎわいます。特に6月から7月にかけての夏のセールでは、バカンス用の服を求める女性たちがこぞって買い物に訪れています。
一方で、オンラインショッピングの需要は高まるばかり。中でも近年のフランスで主流になっているのが、「ヴィンテッド(Vinted)」と呼ばれるフリーマーケットサイトです。日本の「メルカリ」に近いヴィンテッドは、「不要な服を手放したい人」と「お得に購入したい人」のニーズが一致しているため、非常に多くのフランス人が利用しています。
その裏で、苦境に立たされている実店舗が多いことも事実。ただしパリの古着店だけは例外で、若い世代の「エコ意識」「リユース志向」の高まりとともに、数多くの古着店が新規オープンを果たしています。
エシカルな暮らしを好む人は多い
服は欲しいけれど、クローゼットが小さくストック場所に困ってしまう……これが、一般的なフランス人の洋服事情です。とはいえ、彼らの多くは「無慈悲に服を捨てること」を嫌っています。フランスはヨーロッパの中でも、リサイクルシステムや古着回収サービスが特に充実している国。エシカル(倫理的)な暮らしは、同様のサービスを活用するうちに自然と身に付くのでしょう。
フランス人が「シンプルで丁寧なライフスタイル」を送っているように見えるのは、こうした事情が関係しているのかもしれませんね。
この記事の筆者:大内 聖子 プロフィール
フランス在住のライター。日本で約10年間美容業界に携わり、インポートランジェリーブティックのバイヤーへ転身。パリ・コレクションへの出張を繰り返し、2018年5月にフランスへ移住。2019年からはフランス語、英語を生かした取材記事を多く手掛け、「パケトラ」「ELEMINIST」「キレイノート」など複数メディアで執筆を行う。