
欧州2カ国に住んだ筆者が、ヨーロッパ人を惹きつける日本のモノや場所と、逆に日本人の筆者が目を輝かせたオーストリア・スイスの萌えスポットを対比しながら紹介していきます。
ヨーロッパ人が萌える「竹林」

筆者がオーストリアに移住した際、竹の一本挿しがおしゃれなインテリア植物として人気を博しており、ヨーロッパ人たちが竹を“クールでエキゾチックな存在”と捉えていることは薄々気づいていましたが……。竹林はわれわれ日本人が思っている以上に価値ある存在のようです。

>まだある、日本人が激写しがちな海外の萌えスポット
ヨーロッパ人が萌える「ニホンザル」

京都は見どころが目白押しであるため、日本人はわざわざ上洛してまでニホンザル見物に山登りする人は少数派でしょうし、実際に京都在住の友人の中にはモンキーパークの存在すら知らない人もいたほど。
実際にこのパークのどこがそんなに魅力的なのか夫に尋ねてみたところ、なんとヨーロッパには氷河期以降はサルの在来種がおらず、そもそもサルという動物が珍しいとのこと。さらに調べてみると、ニホンザルは世界で最も北に生息していることから「北限のサル」とも呼ばれているのだそうです。
そのような背景から京都のモンキーパークは、川の水を直接飲んだり、人間にエサをねだる猿たちのしぐさに一喜一憂しながら写真を撮る外国人観光客で常にひしめきあっています。同様の理由で、温泉に浸かったり、雪景色の中で見られるニホンザルなども相当珍しいらしく、ヨーロッパ人の中では高い人気を誇っているようです。
かくいう筆者も、夏場のアルプスにハイキングに行った際、珍しい高山動物のアルプスマーモットを見つけて激写した経験があります。興奮してシャッターを切る様子を、オーストリア人の義両親が生ぬるい視線とともに眺めていたことを思えば、ニホンザルに群がる外国人たちと同じように映っていたことでしょう。
ヨーロッパ人が萌える「普通の古民家」

昔ながらの和の建築や佇まい、伝統的な生活様式などを垣間見ることができるため、モダンな建物や観光地化された寺社とは異なり、おおいに興味がかき立てられるのだそうです。
そういえば筆者も、ヨーロッパの地方の村に建っているかわいらしい古民家やアルプスの山小屋などに目を輝かせて写真を撮っていたとき、「こんな田舎然とした普通の家の何が特別なのか?」と夫に不思議そうな顔をされた覚えがあります。

この記事の筆者:ライジンガー 真樹
元CAのスイス在住ライター。日本人にとっては不可思議に映る外国人の言動や、海外から見ると実は面白い国ニッポンにフォーカスしたカルチャーショック解説を中心に執筆。All About「オーストリア」ガイド。