
『ヒプノシスマイク』は、テレビアニメ、ゲームアプリ、舞台などのメディアミックスがされている「ラップ」が中心にある一大プロジェクト。ヒップホップ界の有名アーティストが楽曲の作詞・作曲を手掛けており、YouTubeのチャンネル登録者数は105万人という超人気コンテンツです。
まず初めにはっきりと申し上げておきたいのは、今回の映画は『ヒプノシスマイク』を知らなくても楽しめるということ! そして、後述するシステムはもちろん映像も楽曲も極上のクオリティーであり、もはや映画という枠組みを超えた新時代のエンタメだったと断言します! その上で、見る前に知ってほしいポイントを大きく3つに分けてまとめてみます。
1:「悔しさ」もまたエンタメ。「投票」システムの面白さ!
今回のアニメ映画の最大の特徴は、劇場映画としては日本“初”となる観客参加型の「インタラクティブ映画」であること。6つの(劇中では「ディビジョン」と呼ばれる)チームによるトーナメント方式のラップバトルが繰り広げられるのですが、その勝敗はスマートフォンのアプリを通じてリアルタイムで行われ、投票数が多かったチームが勝利となるのです。つまり、まるでテレビゲームやゲームブックのように「選択肢によって物語が変わる」というわけ。Netflixで配信中の『ブラックミラー バンダースナッチ』も主人公の行動を視聴者が選択できるという相互作用的な面白みがあるエンタメでしたが、今回の映画は劇場で、「ほかのお客さんと共に投票をする」ということがミソです。
言うまでもないことですが、観客それぞれが持っている投票権は、今この場で一緒にスクリーンを見ているたくさんのお客さんの中の1票です。それはつまり、自分が投票したチームが勝ち進むとは限らないということ。逆に言えば、そのたった1票が拮抗(きっこう)していたバトルの勝敗を決定するかもしれないのです。

例えば、自分が投票したチームが勝てばシンプルに「うれしい!」と心から思えるでしょうし、たとえ負けたとしても「あと一歩及ばなかった……! でも自分の中では勝ちだし、これからも応援するよ」とチームやキャラクターへの思い入れがさらに増すこともあるでしょう。そうした「悔しさ」もまた、本作のエンタメ性であると思うのです。

なお、その投票のタイミングは全部で「5回」。その投票結果によって変化する展開数は総計で「48パターン」におよび、エンディングも「7通り」用意され、上映時間も「100〜106分」の間で変動したりもします。何より「見るたびに投票結果によって内容が変わる」ため、リピーターも多く動員することでしょう。
2:実は「原則応援上映」。公式Webサイトの「よくある質問」は要チェック!
今回の投票システムを楽しむには、事前にスマートフォンアプリ「CtrlMovie」のダウンロードが必須となります。さらに、公式Webサイト掲載の「よくある質問」に分かりやすくポイントがまとめられているので、事前に読んでおくことを強くおすすめします。
5-1. 映画上映に遅れてしまった場合は?
QRコードは、上映直前にスクリーン上に表示されます。上映開始後にご入場された場合、投票に参加できませんので、あらかじめご了承ください。
6-1. 上映形態について
本上映は、原則として応援上映です。ライト類等、応援グッズのご使用や、拍手・手拍子、および声を出しての応援が可能です。
本作を楽しみにしている人それぞれが、「上映開始時刻に遅れてしまうと投票に参加できない」「全ての回が“応援上映”とされているため、ほかのお客さんが持ち込んだペンライトの光が目に入ったり、観客の声援や手拍子が聞こえてくることもある」ことを知らなければ、大きなトラブルの原因になってしまうのではないか、と心配になるほどでした。一緒に行く友達にも、伝えておく必要があるでしょう。
