2025年を迎えました。年末年始は9連休という人も多かったのではないでしょうか。2024年を振り返りますと、あらがえぬこととは言え、自身の病気に手術、身内の死去と、大幅に仕事を休んだり、早退したり。人様の手をこれでもか! というほどに借りた一年でした。そこで、少しでも恩を返そうと、年末の忙しさでてんてこ舞いな編集部へ“美し過ぎる”土産を持参して乗り込んだのです。
「ごめんなさい」と「ありがとう」の感謝を込めて
年末の猫の手も借りたい忙しさの中、編集部へ到着した筆者。編集部一同が鬼の形相でパソコンに向かう中、「見て~! お土産、これ見て~!」と、一切の空気感を無視して、“とある物”をかばんから出しました。

重厚感のある黒い箱。「開けてみて」と若い女性編集者をたきつけ、いざ、オープン! ハッと息をのんだ直後、「えっ! すご!」と声を上げる女性編集者。その声に、パソコンのモニターから顔を上げた編集者たちが「何だ何だ」と寄ってきては歓声を上げます。そこにいる誰もが目を奪われた究極の手土産が、こちら。

日本が誇る、ジャパニーズスイーツ「和菓子」です。和菓子の中でも、「煉切(ねりきり)」や、「上生菓子」と言えば、想像がつきやすいのではないでしょうか。和菓子屋のショーケースの中によくある、手のひらサイズの「煉切」が、こちらは直径約10cm、重さは200~250gほどあるビッグサイズ版です。洋菓子でいうところのバースデーケーキのような大きさですね。
ケースを外すと、妖艶な美しさを放つ

透明なドームケースを外すと、より一層、艶やかで鮮やかな姿がお目見え。「もったいなくて、食べられない!」という声も上がりましたが、切り分けて編集部でおいしくいただきました。

「これ、どうやって作っているんだろう?」

慌ただしい師走のつかの間、編集部メンバーが集まり、菓子の甘さにホッとする時間が流れます。すると、切り分けた菓子の表面を見て、ある編集者が「これ、どうやって作っているんだろう?」と言いました。確かに。これだけ繊細な菓子を、どのように作っているのでしょう。というわけで、この「大業物」を手掛けた「和菓子司いづみや」の工場長を務める山崎加奈氏に、作り方や和菓子の魅力について、話をうかがいました。