日本に来るフランス人旅行者に「リュック」が多い理由。「最低5週間の有休」が必須なフランス人の旅行観

日本人の長期休暇は、ほとんどが一週間前後です。しかしフランスをはじめとする欧米では、数週間と比較的長めにバカンスを取るのが一般的。日本人からすると「長い」と感じられるその期間、彼らはどんな旅を続けているのでしょうか。

普段からスケジュールをぎっしり詰め込むことが嫌い

フランス人旅行者の姿
旅先でものんびりと
フランス人が旅先で大切にしているもの。それは、その土地の隅々まで足で歩いて回ることです。グルメやショッピングも楽しみますが、日本人ほどではないといった印象です。タクシー利用に関しては、節約と経験の両面で「逆にもったいない」というのがフランス人の本音でしょう。

街をのんびり散策したり、海辺で昼寝&日焼けをしたり、公園でピクニックを楽しんだり……。つまりフランス人の好みとは、こうした「休日の延長」のような旅であることが多いのです。

加えて多いのが、旅行中に計画を特に立てないタイプの人。普段からスケジュールをぎっしり詰め込むことを嫌う彼らですが、旅行中はその傾向が一層顕著になります。気分に合わせて目的地を決めるスタイルは、フランスの休日そのものを表しているかのようです。

旅行スタイルに見る国民性の違い

休みが1日であろうと数週間であろうと、「何かに縛られること」が大嫌いなフランス人。そんなフランスに引っ越して感じたのは、旅行スタイルにも国民性が色濃く表れる、ということです。

計画性を重視し、短い休みを効率的に活用したいと考える日本人と、ゆっくりのんびり過ごし、「明日のことは明日決める」と考えるフランス人では、旅先での過ごし方もまったく異なります。一緒に旅行すれば、お互いがお互いのことを「変」だと思うかもしれません。

それでもフランス流の旅行を一度経験すると、「これも悪くないな」と思えてしまうから不思議です。「休日」のような旅では、心身が驚くほど休まったことを今でもはっきりと覚えています。

この記事の筆者:大内 聖子 プロフィール
フランス在住のライター。日本で約10年間美容業界に携わり、インポートランジェリーブティックのバイヤーへ転身。パリ・コレクションへの出張を繰り返し、2018年5月にフランスへ移住。2019年からはフランス語、英語を生かした取材記事を多く手掛け、「パケトラ」「ELEMINIST」「キレイノート」など複数メディアで執筆を行う。
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