王道アイドルから“脱アイドル”へ
このダイナミックなダンスパフォーマンスのおかげで、Number_iは“脱アイドル”に成功しました。もともとが王道アイドル・King & Princeのメンバーということもあり、デビュー当初はどんな活動をするのか注目されていましたが、『GOAT』で見せたのはアイドルではない新しい形の3人。当初はファンも戸惑ったでしょうが、その格好よさと独自の世界観ですぐにNumber_iとしての魅力を作り上げました。「アイドル」が悪いといっているわけではないですが、King & Princeを脱退したのに、同じようなことをしていたのでは進化は見込めません。そんなハードルを3人がいとも簡単に飛び越えたからこそ、ファンも納得して応援でき、現在の大活躍につながったのだと考えます。
また、メンバー自ら楽曲のプロデューサーを務めているのも魅力の1つ。自分たちのプロデュース曲が多いことのメリットは、グループとしての世界観をメンバーが率先して作り上げられることです。
アルバムではメンバーそれぞれがプロデュースを担当していますが、どれも秀逸な曲ばかり。デビュー曲からたった1年でここまでグループが成長したのも、自分たちで活動や楽曲をコントロールできているからでしょう。今後はパフォーマンスだけでなく、プロデューサーとしての成長も期待でき、まだまだNumber_iの進化は止まりそうにありません。
Number_iが認知された今、次のステップはどうなる?
さて、グループは全国7カ所で開催したライブツアー『Number_i LIVE TOUR 2024 No.I』を通して、各地でパフォーマンスを披露しました。12月24日に開催されたさいたまスーパーアリーナでの公演は、Amazon Prime Videoにて220以上の国と地域で独占ライブ配信され、多くの人がNumber_iのライブを見たことになります。年末には『NHK紅白歌合戦』と『レコード大賞』に出演し、さらに幅広い層から支持されることでしょう。年末の歌番組への出演も多く、一気に認知度が上がったNumber_iですが来年以降の活動はどうなるのでしょうか? 筆者は、さらに世界進出を加速させてほしいと勝手ながら考えています。BTSをはじめ、Stray KidsなどK-POPのボーイズグループがアメリカでブレークする中、日本独自のグループはなかなか活躍できていない現状があります。
しかしここ数年、アメリカをはじめ海外では日本のシティ・ポップがブームになるなど、日本人の音楽に興味がある人が増えています。Number_iはJ-POP人気の波に乗り、アメリカでの活動にも本腰を入れてほしいと考えます。アメリカでも結果を出せばさらに人気が高まるのは確実。これまで、なかなかボーイズグループが海外で活躍するケースがなかった中で、Number_iの3人がその壁をぶち破ることに期待します。それだけの実力とスター性を、3人は持っているのだから。
ぜひとも、来年には海外でも大活躍するNumber_iのニュースを、皆さんにお届けできることを願っています。
この記事の筆者:ゆるま 小林
長年にわたってテレビ局でバラエティ番組、情報番組などを制作。その後、フリーランスの編集・ライターに転身。芸能情報に精通し、週刊誌、ネットニュースでテレビや芸能人に関するコラムなどを執筆。編集プロダクション「ゆるま」を立ち上げる。