宗教離れが進むドイツのクリスマスはどんなもの? お菓子だけじゃない「アドベントカレンダー」の魅力

クリスマスの訪れをカウントするための「アドベントカレンダー」には、日ごとにお菓子などが入っていて、わくわくする仕掛けになっています。ところでこの「アドベント」という言葉の意味をご存じでしょうか? 本場ドイツより、クリスマスシーズンの様子とともにお届けします。

ドイツのクリスマス(筆者撮影)
ドイツのクリスマス(筆者撮影)
クリスマスが近づき、寒いけれど街が華やかになるこの時期。「アドベントカレンダー」という言葉を耳にする機会も増えているのではないでしょうか。クリスマスの訪れを数えるためのこのカレンダーには、日ごとにお菓子などが入っていて、わくわくする仕掛けになっています。最近ではコスメが入っているカレンダーも見かけるようになりました。

ところでこの「アドベント」という言葉の意味をご存じでしょうか? 本場ドイツより、クリスマスシーズンの様子とともにお届けします。

宗教離れが進むドイツのクリスマス

イエス・キリストの誕生を祝うクリスマスは、キリスト教徒にとって1年のうちで最も大事な日です。キリスト教徒率が高そうな印象のあるドイツですが、実は年々教会離れが進んでいます。

2022年の国勢調査では、カトリックとプロテスタントを足しても全体の48%にすぎないというデータが出ました。前回、2011年の調査では約60%だったため、この10年で急速な変化がみられます。ただ、クリスマスはキリスト教徒以外の人々にも広く祝われており、2023年の調査ではドイツに住む81%の人がクリスマスを祝う、とアンケートに回答しました。

10月末にサマータイムが終わると一気に日照時間が短くなるドイツ。長くて暗い冬に広場にポッと出現するクリスマスマーケットは、人々の心の太陽のような存在です。クリスマスマーケットの光を見ると、用がなくてもつい引き込まれてしまいます。

また、スーパーやドラッグストアでもクリスマス関連のアイテムが目立ちます。ドイツに住んでいるとクリスマスと無縁ではいられません。
ドイツのスーパーの様子
ドイツのスーパーの様子(筆者撮影)

「アドベントカレンダー」のアドベントの意味は?

「アドベントカレンダー」は日本語だと「アドベント」と称されているようですが、「アドヴェント」がより正確です。イエス・キリストの降誕を待ち望む「待降節」を意味します。待降節は、12月25日直前の日曜日から4週間分さかのぼった日曜日から開始。第1アドベント、第2、第3、第4と各日曜日をお祝いします。

この期間には「Adventskranz(アドヴェンツクランツ)」というもみの木などで作ったリースに、ろうそくを4本立てたものを用意し、各日曜日ごとに火を増やして灯します。日曜が来るたびにクリスマスが近づいていることを実感できますね。ドイツではクリスマスは約1カ月をかけたイベントなのです。
 
アドヴェントクランツ
アドヴェントクランツ
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