#9「大根」の断面がスカスカだったり青かったり……この状態で食べられますか?

大根1本というと、なかなかのボリュームがあるので一度に食べきれないことが多いのでは。使いかけを保存していたらしなびた、断面がスカスカ、変色していた……なんてことも。
この大根の内部がスカスカの状態は、水分が不足したときに発生する「ス」というもので、ひどい場合は亀裂が生じます。
発生する原因は大きく分けて2つ。
原因1. 高温と乾燥
気温が高く乾燥していると、葉が水分を必要とするため根がスカスカに。カット売りの大根であれば、断面を見て選べばス入りを避けることができます。原因2. 葉付きのままで放置
収穫後、葉を付けたままにしていると葉に水分を奪われてしまいます。葉付きの大根を入手した時は、すぐに切り落としましょう。Q.「ス」入りの大根を食べても大丈夫?

ス入りの大根は、汁物の具にしたり、煮物にして食べると気になりません。また大根おろしにすれば、余計な水分が出ないので絞る必要なく食べられます。
Q. 大根がしなびてる……捨てた方がいい?
皮にシワが寄って全体的にみずみずしさを失いしんなりした大根も、カビやぬめりが発生していなければ食べられます。しなびた大根は、余計な水分が抜けているので味がしみやすく、切干大根の感覚で料理に活用できます。煮物や漬物にするのがおすすめです。
しなびた状態を避けて保存したい場合は、乾燥を防ぐことが大切です。
大根の正しい保存法

2. カット大根は切り口をラップでぴっちりと包んで野菜室で保存。
Q. 大根の中心が透明(紫)になっている! これは何? 食べられる?
本来大根の果肉は白いのですが、透明になっていることがあります。これは水晶現象といい、温度変化が激しいところで保存すると発生します。場合によっては紫っぽく変色することも。
透明になった大根は通常より水分が多くなっていて、断面から水分が滴ることもあります。水っぽくて食味がいいとは言えませんが、食べられます。加熱調理にするのがおすすめです。
大根は寒暖、冷暑などの温度変化に弱いので、温度帯を一定に保つと水晶現象を防ぐことができます。
Q. 大根の中が青い場合、どうすれば?
カビに似ていますが、果肉がうっすらと青く変色しているものは青変症(青あざ症)と呼ばれるもの。これも食べられます。青変症は生理障害の一種で、切るまでは青くなっているかどうかの判断がつきませんが、果肉の中心部分が青く変色して硬くなっています。
カットしても色はそのままなので、生はおすすめできません。煮物や汁物がおすすめです。
※表面に青い点々が発生していたら、それはカビなので取り除きましょう。またぬめりや異臭がしたら腐っているので廃棄してください。
この記事の筆者:江戸野 陽子
東京農工大学農学部卒業。「野菜と豆腐の料理家」として料理教室を実施。また豆腐製品の普及活動に取り組む野菜ソムリエプロ、豆腐マイスター。All About「毎日の野菜・フルーツレシピ」ガイド。
東京農工大学農学部卒業。「野菜と豆腐の料理家」として料理教室を実施。また豆腐製品の普及活動に取り組む野菜ソムリエプロ、豆腐マイスター。All About「毎日の野菜・フルーツレシピ」ガイド。