人生に疲れたので、会社ズル休みして奈良公園のシカに癒されてきた

時々、現実から逃げ出したくなる時が、ありますよね。なので、ちょっと逃げ出して旅へ出ることにしてみました。

気が付けば11月も半ば。あっという間に年が明けることでしょう。読者の皆さまは、いかがお過ごしでしょうか。この1年、筆者は前世の業でも背負っているのか、まぁいろいろありました。今回は、そんな人生に疲れた筆者が、会社をズル休みして旅に出たっていう話です。

前世で何かした? 波乱続きの1年間

2023年12月、義父が死去。2024年1月は新型コロナウイルスで夫婦そろってダウン。4月に尿管結石その1、5月にその2、6月に手術。退院ほどなく実母が突然死……、どんなけ。どんなけよ。さらにそこにのしかかる“実家の片づけ”という重し。うーん、疲れた! というわけで、「少々人生に疲れたため、しばし旅に出させていただきます」と会社にメールをして旅に出ました。あっ、そうは言っても弊社はちゃんとした“株式会社”です。こんなぶっ飛んだ人間ばかりではなく、筆者がぶっ飛んでいるだけなので、そこのところ、誤解なきよう。
 

さて、旅に出るっていっても、東に住む大阪出身者はやはり西が恋しい。そして、「癒し」は外せない。なんかこう、「はぁ~! 癒されるう~」って声が漏れるような体験がしたいんです。そこで、大阪までの経路を地図アプリを眺めていたら、いい所を発見。スマホを手に取り、大阪の親戚に電話をかけ、「お兄やん? 明日の朝、奈良公園来てくれへん? ついでにうちら(人間2人&犬1匹)も泊めて~。ほな、朝に!」と話し、当面の着替えと愛犬のドッグフードと薬を車に詰めて、深夜の東名を西へと下るのでした。

右も左も、シカ・シカ・シカ!

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かわいい! そこにいるだけで幸せな気持ちにさせてくれる。これぞ、筆者が求めていた究極の癒しである(写真は全て筆者。以下同)

大阪出身の筆者。道中、助手席で銅像のようにピクリとも動かぬ夫を横目に、どれだけ往来したか分からない慣れた道を進みます。夜が明ける頃には名阪国道に入り、そこから奈良県に入って、奈良市街地、そして奈良公園へ。すると、木々に囲われた広大な奈良公園の赤信号の歩道を、シカがゆっくりゆっくり歩いているではないですか! 「これや! これこそ、求めていた癒しである!」とテンションMAXなまま、親戚の“お兄やん”と合流。朝8時半にもかかわらず、駐車場はほぼ満車でした。年老いた愛犬を乗せるカートを車から引っ張り出して、癒しを求めいざ、公園へ。

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もだえ続けて夫からもお兄やんからも、愛犬からもドン引きされる筆者。知ったことか、かわいいは正義! なのだ

園内に入ると、右も左もシカ! シカ! シカシカ、シーーーッカ! さらに、今年生まれたバンビちゃんがそこかしこにいます。そのバンビちゃんのふわっふわな尻毛が、もうどうにもたまらないかわいさでして。バンビちゃんたちに囲まれることを夢見ながら、鹿せんべいを売っているおばちゃんの元へそそくさと行き、いざ、「さぁ、おいで」「お食べ」と声を掛けてもまったく近寄ってくれないシカたち。鹿せんべいを持っているほかの人には、人種や男女を問わず、ワラワラと群がるのに、筆者は1人、ポツンと鹿せんべいを持って立っているだけ。
 

すると、茶屋のおばちゃんが「シカにとって犬は天敵やからねぇ」と言いました。横を見ると犬なのに「鹿せんべいください~」とグヘグヘする愛犬が。シカからすると“狩る者”のようです。もう1つの目的、愛犬とかわいいシカのツーショット……。この時点で断念しました。

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不敵な笑みを浮かべる愛犬を警戒するシカ(左)と、鹿せんべいにしか目を向けないシカ(右)

その後、愛犬を夫に任せ距離を取ると、少しずつシカたちが寄ってきてくれました。「おばちゃん、ちょーだい」って頭を下げてくれるシカさん。「ええよ、ええよ。たーんとお食べ」と頬を緩めながらせんべい配りおばちゃんと化す筆者。「ちょっと、おかわりしてくるわ!」と鹿せんべいを再び購入し、また「おいでおいで。せんべいお食べ~」とホックホクな時間を過ごしました。ありがとうシカさん! ありがとう、会社!

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ハート型の真っ白でフッサフサのお尻! ここは天国なのだろうか? 平和な光景に頬がユルユルになる

人生に疲れたら、奈良公園へ

奈良公園、めちゃくちゃ癒されます。筆者同様、人生に疲れた人にはめっちゃおすすめです。比較的空いている朝がオススメ。こんなにメンタルのパワーチャージができて、(犬がそばに居なければ)優しいシカたち、まさに神対応極まれり!
 

一方で昨今、外国人観光客らによるシカへの虐待行為が話題になっています。この日は朝早かったからか、あまりそうした光景は見られませんでしたが、中には通りすがりにシカの頭をたたいたり、大声(もはや奇声に近い)を上げる人たちもいました。そうした行為は断じてやめていただきたい。そして、優しいふれあいの時間を過ごしてほしいと、切に願う筆者でした。

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