【2024年10月クール】今からでも間に合う! 最終回まで見逃せない「秋ドラマ」3選【ネタバレあり】

現在放送されている今年の秋ドラマは、多くが中盤に差し掛かっています。そこで、当サイトでは最終回まで見逃せないおすすめのドラマを三つ紹介。全てのドラマを視聴している元テレビ局スタッフが、見るべき秋ドラマをピックアップします。(サムネイル画像出典:『放課後カルテ』公式Webサイトより)

松下洸平演じる“愛すべきダメ人間”が魅力の『放課後カルテ』

次に紹介するのは、『放課後カルテ』(日本テレビ系)です。
  日生マユさん作の人気漫画をドラマ化した作品で、松下洸平さんが小児科医・牧野峻を演じています。牧野先生が活躍するのは病院ではなく保健室で、学校医として小学校に赴任するところから物語はスタート。小学生たちとの交流を通して体や心のケアをしていく、心温まるヒューマンドラマとなっています。

このドラマの魅力は、なんといっても松下さん演じる牧野先生。ボサボサの髪形に常に無愛想な顔、さらに文句ばかり言うこれまでの保健室の先生では考えられないようなキャラクターです。ただ医師としての腕は確かで、児童の小さなサインも見逃さずに病を突き止めていきます。“ダメ人間”なのに、誰もがとりこになってしまう牧野先生の不思議な魅力を、松下さんが抜群の演技で作り上げています。

ドラマは基本的に1話完結で、それぞれの回で生徒の問題や病が取り上げられ牧野先生が一緒に解決するストーリー。ただ、牧野先生は寄り添うだけでなく、時には厳しく児童を突き放します。子どもだからといって容赦はせず、一人の人間として真摯(しんし)に向き合う姿勢が痛快なドラマです。この『放課後カルテ』で圧巻なのは、優秀な子役がそろっているところ。松下さんの演技も秀逸ですが、児童を演じる子役の表現力は他のドラマにはない世界観を生み出しています。

天才子役の熱演に視聴者も涙!

第1話にて、野咲ゆきを演じた増田梨沙さんの演技も圧巻でした。ゆきは突然の眠気に悩んでいる児童で、居眠りをしてしまうため怠け者だと友達や親から信用をなくしていました。その異変に気付いた牧野先生は、居眠りの原因が病気であることを突き止め、治療を行うことを宣言します。牧野先生と向き合う中で、ゆきは自身のつらい胸の内を涙ながらに話す神シーンを披露。多くの視聴者の涙を誘いました。
  さらに第4話でクローズアップされた、水本羽菜を演じた小西希帆さんも名演技を披露。羽菜は家庭の問題で孤独感を抱え、自傷行為や暴力的な行動に出てしまう破壊衝動に悩む児童。かなりヘビーな役でしたが、自分の境遇を達観しているような表情など、子役とは思えない演技を見せています。松下さんと子役たちの演技が化学反応を起こすことで名場面が連発され、視聴者はグイグイとストーリーに引き込まれていく見事なドラマです。

また、医療ドラマとして、AEDの使い方をしっかりと視聴者に見せた場面も秀逸でした。第2話では児童の冴島啓(岡本望来)がAEDを使用しなければいけない場面で、長尺で機器の本格的な使い方を見せています。誰でも使用する可能性があるAEDですが、ドラマや映画で使用される際は、簡略化して描かれるところ。しかし、このドラマでは機器を使用するところを、約10分間にも及ぶワンカット長回しにより、児童の目線を通して牧野先生の電話での指導の基で紹介することに成功しました。

制作サイドの本気度が垣間見えるシーンであり、『放課後カルテ』が最終回まで見るべき作品であると、印象付けてくれました。

秋ドラマで1番笑えるコメディー作品『民王R』

最後に紹介するのは、『民王R』(テレビ朝日系)です。
  2015年に放送された『民王』の続編で、主人公・武藤泰山は引き続き遠藤憲一さんが担当。前作では、菅田将暉さん演じるおバカで気の弱い息子と入れ替わった泰山ですが、今回の続編では、首相という大役を引き受けた後に、毎回違う国民とランダムに入れ替わってしまうことになります。

第1話では、今回から登場したあのちゃん演じる冴島優佳と入れ替わり。独特な喋り方を遠藤さんはコピーし、いきなり爆笑をかっさらうことに成功しています。また、第3話ではまさかの5歳児と入れ替わり、無邪気な子どもを熱演。毎回、遠藤さんのコミカルで笑える演技が見どころになり、コメディー作品として秋ドラマで一番の面白さを誇っています。

また、笑えるだけでなく現在の政治を皮肉ったような、熱いストーリーも健在。安定感抜群のドラマで、笑って泣けていろいろと考えさせられる作品として中毒者を増やしています。

さて、最終回まで見たい3作品を紹介しましたが、短い深夜ドラマも含め良質な作品が多く放送されています。TVerやNetflixをはじめ、各局の見逃し配信でも第1話から気軽に見られるサービスがそろっているので、気になるドラマがあった人はぜひとも、最終回までに視聴することをおすすめします。
 

この記事の筆者:ゆるま 小林
長年にわたってテレビ局でバラエティ番組、情報番組などを制作。その後、フリーランスの編集・ライターに転身。芸能情報に精通し、週刊誌、ネットニュースでテレビや芸能人に関するコラムなどを執筆。編集プロダクション「ゆるま」を立ち上げる。

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