今回は豆腐を「奴」と呼ぶのはなぜか、絹ごし豆腐は絹でこしていないなど、豆腐の豆知識をご紹介します。
豆腐を「奴」と呼ぶのはなぜ?
「冷奴」など、豆腐を「奴」と呼ぶのはなぜなのでしょうか。もともと「奴」とは身分の低い使用人のことで、「家っ子(やっこ)」の意味とされています。「奴」が武家の奉公人を指すようになった江戸時代、大名行列を歩く際に奴が着る半纏には「釘抜紋」という四角い紋が描かれていました。
この紋に似ていることから、日本料理で大きめの四角形に切ることを「奴に切る」といいます。そこから奴に切った豆腐のことを奴豆腐、さらに転じて豆腐そのものを奴と呼ぶようになりました。
ちなみに、奴切りよりも小さく切ることを「さいの目切り」、さらに小さく切ることを「あられ切り」と呼びます。
「絹ごし豆腐」は絹を使っていない
木綿豆腐は、豆乳ににがりを加えて固めたものを崩して、木綿布を敷いた型箱に入れて、圧力をかけて押し固めたもの。木綿の布目が豆腐の表面につくことから名付けられました。
では、絹ごし豆腐は絹布を敷いているのかというと、実は違います。
絹ごし豆腐は、木綿豆腐よりも濃い豆乳ににがりを加えて、そのまま固めたもの。
木綿豆腐よりもなめらかできめ細かいために「絹ごし豆腐」と名付けられていますが、実際に絹でこしているわけではありません。
豆腐の「ニセモノ」にご用心!?
卵豆腐、胡麻豆腐、杏仁豆腐。この中で、豆腐を使っていないのはどれでしょうか?正解は……全部です!
卵豆腐は、卵と出汁を混ぜ合わせて蒸し固めたもの。
胡麻豆腐は、すり潰した胡麻を葛粉と混ぜ合わせて固めたもの。
杏仁豆腐は、粉末状にしたアンズの種に甘味や牛乳を加えて寒天などで固めたもの。
どれも豆腐に見た目や食感が似ているという理由で名付けられています。
安くておいしくて栄養価も高い豆腐。この機会に献立に加えてみてはいかがでしょうか。
この記事の筆者:石川 カズキ
1984年沖縄県生まれ。筑波大学人間学類卒業後、会社員を経て芸人・作家・コピーライターに。エレキコミック・ラーメンズを輩出した芸能事務所トゥインクル・コーポレーション所属。第60回宣伝会議賞コピーゴールド受賞、LOFT公式YouTubeチャンネル『コントするイシカワくん』シリーズのコント台本・出演、KNBラジオCMコンテスト2020・2023協賛社賞受賞など。お仕事あればお気軽にご連絡ください。AIから仕事を奪うのが目標です。