#40は前回に引き続き、8年ぶりの再結成が発表された「2NE1」をフィーチャー。彼女たちが長年支持される理由でもあるヒット曲の魅力、そして現在のリスナーにも刺さりうる歌詞に込められたメッセージについて紹介していきます。
【前回の記事「“元祖・ガールクラッシュ”『2NE1』が今なお支持され続ける理由」(#39)はこちら】
2NE1の代表曲といえば
K-POPゆりこ(以下、ゆりこ):聞いてください。当たったんですよ! 2NE1の来日公演。12月が楽しみです。
矢野:おめでとうございます! よかったですね! 久しぶりにライブを見るファンはもちろん、初めて行く人もいるでしょう。前回(#39)、「2NE1はコンセプト面だけではなく“音楽面”でもパラダイムシフトを起こした」「なんといっても強みは音楽とパフォーマンス」だという話題が出ましたが、2NE1の代表曲といえばなんだと思いますか? 知らない人はここから聞くといいよというオススメを知りたいです。
ゆりこ:デビュー曲の『FIRE』や『I AM THE BEST』はオーディション番組の課題曲にもなっていたり、若手アーティストたちもカバーしていたりするので聞き覚えのある人もいるかと思います。「ネガ ジェイル チャルナガ!(私が一番イケてる!)」と高らかに歌う様はしびれますね。
矢野:『I AM THE BEST』というタイトルからして気持ちがいいですね。めちゃめちゃ強気。
ゆりこ:そのまま「私は一番イケてる、最高」って歌なのですが、その中で「どんな比較もお断り」という歌詞が出てくるんです。人の心理として、誰かと比べてしまうのは自然なこと。でも絶対的な価値観として「自分を自分で最高だと思っていい」というメッセージとしても受け取れます。そしてこの曲はライブで間違いなく盛り上がる。2NE1も最高、そして私も最高! 心底そう思わせてくれる1曲です。そして日本のファーストシングルになった『GO AWAY』も失恋ソングなのですが、なぜか元気がもらえる不思議な曲。
矢野:韓国語版を聞いてみたのですが、失恋ソングだとは思えないパワフルさ。ライブで流れたら踊りたくなりますし、自然と声が出そう。
K-POPライブでよく聞く「遊ぼう!」の掛け声は2NE1から始まった!?
ゆりこ:2NE1の代表曲はアップテンポで、ヒップホップ色も強く、重厚感あるビートに乗って盛り上がれるものが多いです。いわゆるライブ映えする曲。それを妥協のない生歌とラップ、キレッキレのダンスで見せてくれるんですよ。熱狂のあまり頭パカーン! ってなります。あと、K-POPライブでのお決まり文句「一緒に遊びましょう!」「遊ぼう!」って言うアーティスト、多いじゃないですか。
矢野:あれ、ずっと不思議だったんです。日本のアーティストは言わないですよね。意味はくみ取れるんですけれど、なんで韓国のアイドルは「盛り上がろう」「楽しもう」を「遊ぼう」って言うんだろうと。
ゆりこ:あれを定着させたのも2NE1だと思います。『CLAP YOUR HANDS』という曲の中にも出てくるのですが、彼女たちのライブでのスローガンが「ノルジャ(遊ぼう!)」だったのです。今回の期間限定で立ち上がったJAPAN OFFICIAL FANCLUBの名前も 「BLACKJACK NOLZA(ブラックジャック ノルジャ)」。(※ブラックジャックは元のファンクラブ名)
矢野:ライブは2NE1とファンが共に「遊ぶ場」ということなんですね。日常や嫌なことを忘れて思いっきり遊ぶ時間。
ゆりこ:その一体感を再び味わえる日が来るとは……。本当にうれしい限りなのですが、2NE1といえば今までご紹介してきたような、縦乗りブチアゲ曲のイメージが強いですよね?
矢野:あります。スタイルからして攻めていてポジティブで、強い! という印象です。