「All About」鉄道ガイドの野田隆が解説する。
(今回の質問)
線路に敷かれている砂利には何の意味があるんですか?
(回答)
2つ理由がある。1つは、枕木が移動したり沈んだりするのを防ぐため。もう1つは、クッションとなって騒音や振動を吸収する効果があるためだ。
線路に砂利が敷いてあるワケ

もっとも、時間が経過すると砂利同士の隙間が詰まり、クッション効果は下がってしまう。また、枕木のずれも生じるので、定期的なメンテナンスも必要。終電後に、機械で砂利をかき混ぜて隙間をつくったり、枕木のずれを修正したりしなくてはならない場合もある。このように面倒な点もあるのだが、費用が安いこと、災害時などの復旧作業もしやすいことなどから、広く使われている。

バラストはどこからやってくる?

バラスト用砕石はすり減りに強いものが適しており、西金付近のものは2億年ほど前に海底に堆積した砂が熱や圧力の作用などによって硬く緻密に固まったものが用途にぴったりだと言われている。西金駅から専用列車で運搬され、常磐線など茨城県内の路線および千葉県内の各路線で使われている。
長い間、バラストの運搬にはホキ800形を機関車でけん引して運んでいたが、車両の老朽化や、機関車けん引列車であると進行方向を変えるときに機関車の付け替えなど手間がかかるということから、機関車不要の気動車タイプの新型車両GV-E196形が2024年4月にデビューしたばかりだ。
この記事の筆者:野田隆
名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(共に平凡社新書)がある。
名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(共に平凡社新書)がある。