7月31日、一部メディアで「『男性の方は女湯に入れません』 トランスジェンダー議論に一石、アパホテルの対応に称賛の声」というタイトルの記事が公開されました。
アパホテルの注意書きが称賛……?
同記事は自社のWebサイトのみならず、Yahoo!ニュースにも配信されています。アパホテルの大浴場にある注意書きがネット上で拡散され、それについての見解をアパホテルに聞いたという内容です。注意書きとは「大浴場の男女の判断は身体的特徴に合わせた性別でご利用ください。戸籍が女性でも身体的特徴が男性の方は女湯に入れません」といったもの。当該メディアによると、それがネット上で「称賛」を浴びたとのこと。
「もともと全てのスパや銭湯がそういう権限を持ってます」
しかし、2023年6月には「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律(LGBT理解増進法)」が制定され、公衆浴場などでは「身体的な特徴をもって判断するもの」と厚生労働省から通知がありました。それから1年以上がたち、ネット上でアパホテルの注意書きが「称賛」されるとは一体どういうことでしょうか。根底には、トランスジェンダーに対する差別心があるのではないでしょうか。ヘイトに絡めた“称賛の声”が多いように見えます。実際、ネット上において称賛の声以外では、「一石もなにも、はじめから浴場に関しては厚労省からそのような通達が各公衆浴場に出されていたし、LGBT理解増進法の時もきちんと説明されていたことだと思いますけど」「もともと、公衆浴場は身体の特徴に基づく性別でゾーニングされていて、これまでも今も何も変わっていないんです」「『身体的特徴をもって』弊店の風呂は判断します、というアパホテルが賞賛されているが、もともと全てのスパや銭湯がそういう権限を持ってます。身体的特徴って何でしょうね?受付で下半身を見るわけではない。この時点でアパも他施設も判断は同条件なわけです」「LGBT法で元男が女湯に入るのに自由になったりはしないと、普通に政府がそう言ってるのに」といった声が上がりました。