ヒナタカの雑食系映画論 第104回

ドラマ版『ブラック・ジャック』は困惑の実写化? “女性化”が「許せない」「納得」それぞれの理由

実写ドラマ版『ブラック・ジャック』(テレビ朝日系)は放送前のニュースはもちろん、本編を見た人からも賛否両論が噴出しました。ドクター・キリコの“女性化”を筆頭とした注目ポイントをまとめて解説しましょう。(サムネイル画像出典:テレビ朝日公式Webサイト)

ブラックジャック
『ブラック・ジャック』(秋田文庫)の原作7巻の表紙を再現したメインビジュアル(画像出典:テレビ朝日公式Webサイト
6月30日に実写ドラマ版『ブラック・ジャック』(テレビ朝日系)が放送されました。同作は放送前、高橋一生がブラック・ジャック役を務める発表には喜びの声が相次いだ一方、ライバルであるドクター・キリコの“女性化”が炎上してしまいました。

褒める意見もある一方、多く見られる感想は「困惑」?

そして、実際にドラマ本編を見た人からの評価は、やはりというべきか賛否両論。SNS上などには、面白かったと素直に褒める人もいれば、良いところと悪いところの両方を挙げる人、はたまた原作ファンからの強い怒りの声も見られる……というのが現状です。

個人的な感想を先に述べると、実写ドラマならではの工夫がたくさんあって面白かったけど、“変”なところも多くて困惑してしまったのが正直なところです。実際にX(旧Twitter)を見ても、ドクター・キリコの改変はもちろん、他のポイントでも「なんでこんなことに?」と疑問を抱いている人が多くいる印象でした。

個人的にはその困惑も含めて楽しく見られた、良いところもたくさんあると思えた漫画の実写化作品でしたが、放送前の発表と本編それぞれで多くの批判が届いた事実は、作り手が受け止めなければならないでしょう。

事実、主演の高橋一生は実写ドラマ化決定のニュースの時点で「厳しく観ていただきたい」などとコメントしていますし、人物デザイン監修・衣装デザインを担当した柘植伊佐夫の公式Xでは放送後に「国民的な名作ですのでさまざまな思いやご意見があると思います。そのすべてが愛情だと感じております」と投稿されています。この言葉通り、受け手の正直な(もちろん常識の範囲内での)批判が届くことも、作り手は覚悟しているのです。
ここでは実写ドラマ版『ブラック・ジャック』の特徴と魅力、そして賛否両論を呼んだポイントについて解説していきましょう。本編のネタバレに多分に触れているので、鑑賞後にお読みください。

※以下からは、実写ドラマ版『ブラック・ジャック』の結末を含むネタバレに触れています。鑑賞後にお読みください。また、原作の51話『ふたりの黒い医者』や46話『ちぢむ!』の結末も記しています。
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