2026年、東海道新幹線がおよそ四半世紀ぶりに個室を導入するらしい。今分かっていることをJR東海に取材したが、未定な部分が多そうだ。どんな個室になるのか期待が膨らむ。
取材した内容とともに、ヨーロッパの国際列車からわが国の豪華列車まで、さまざまな列車の個室も紹介しておこう。
東海道新幹線の個室は100系以来、四半世紀ぶりの復活
現在では、ビジネス特急の性格が強い東海道新幹線であるが、かつては食堂車や個室車両も連結された華やかなものだった。1985年に登場した100系には、2階建て車両が2両組み込まれ、1両は食堂車、もう1両はグリーン車で階下に個室グリーン車が組み込まれていた。
列車の高速化に対応できなくなり、2003年に東海道新幹線区間から撤退。個室が組み込まれた車両は、それ以来のこととなり、およそ四半世紀ぶりの復活となる。
個室導入の理由は、「生活様式や働き方の変化により多様化する利用者のニーズに応えるべく、 新幹線の新たな座席の在り方の検討を進めてきた結果」だとのこと。会社役員などのエグゼクティブやリッチな観光客の利用を想定しているようだ。運行区間は、JR西日本との協議を待って決定する。東京~博多間での走行となれば、航空機よりも新幹線を選択する乗客が増えることになるかもしれない。
詳細は未定部分が多く、今後発表
列車の座席数を減らすことはないとのことで、個室をどこに設けるかが興味の対象となる。JR東海広報部に問い合わせたところ、「既存のN700Sを改造するのではなく、今後新しく製造するN700S系2次車に新設するので、まだ計画段階」とのこと。一部でささやかれているような、不要となった喫煙ルームや車内販売の基地などを活用するかどうかは全くの未定だという。1号車から16号車のどこになるかも検討中という。
決まっているのは、1列車に2室限定ということ。定員は1人ないし2人程度となる模様だ。個室数が少ないので、プラチナ・チケットとなるかもしれない。航空機のファーストクラスや東北新幹線などのグランクラスに匹敵する上質なサービスが期待される。