そこで今回は、日本最大級のラーメン情報サイト「ラーメンデータベース」の情報を基に、「東京都の味噌ラーメン人気店ランキング」を紹介。併せて、ラーメンデータバンクの取締役会長であり、自称「日本一ラーメンを食べた男」として多くのメディアに出演している大崎裕史が上位の店舗を解説する(順位は「ラーメンデータベース」の「通算ランキング」の4月11日時点のデータより)。
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2位:「大島」
札幌ラーメンの人気店「すみれ」で12年修業し、2013年5月に独立オープン。札幌の「麺屋彩未」に続いて2軒目の「すみれ」公認店で、のれんには「すみれ寄贈」と書いてある。もちろん、東京では初めてののれん分け認定店だ。
ラーメン業界最高権威である『TRYラーメン大賞』(講談社)で、2013年に「新人賞 みそ部門」で1位を獲得。翌年から5年連続で「名店部門 みそ」の1位を獲得し、殿堂入りを果たした。つまりデビュー以来、負けなしの全勝優勝で殿堂入りした店舗なのである。
1位:「三ん寅」
今や全国でもトップクラスに知名度がある「すみれ」で複数店長を歴任し、通算17年間在籍した菅原章之さんが2019年10月に独立オープン。「すみれ」出身者は何十人も独立しているが、「すみれ」が認めてのれんを寄贈したお店としては「彩未、大島、郷、八乃木」に続いて5店舗目。また、「すみれ」の在籍年数は歴代でもトップクラス。つまり、「すみれ」以上に「すみれ」を知り尽くした店主といえる。その上で自らのアレンジを施し、菅原流の「濃厚味噌ラーメン」を創り上げたのが「三ん寅」なのだ。
ラーメン業界最高権威の『TRYラーメン大賞』(講談社)では、オープンしてすぐに「新人賞 みそ」で1位を獲得し、その翌年から「名店部門 みそ」で3年連続で1位となった。
同店は、「ご飯が合う味噌ラーメン」としてご飯にも力を入れている。また、チャーシューの上にのったおろし生姜を最初は混ぜずに食べ、後半混ぜて食べることでさっぱりと味変できる点も魅力だ。札幌から仕入れている白味噌を使い、麺も札幌から送ってもらっている、濃厚ながらクセになる同店の味噌ラーメン。間違いなく、東京で食べられる札幌味噌ラーメン最高峰といえる。
ともに「すみれ」出身。「大島」と「三ん寅」の違いは?
「大島」は「三ん寅」の6年前にオープンしており、東京の味噌ラーメンシーンを引っ張ってきた。前述のように、『TRY ラーメン大賞』(講談社)では「大島」が5連覇、殿堂入りした翌年からは「三ん寅」が3連覇を達成。その差は僅差であり、この2店舗が「都内味噌ラーメンツートップ」と言っても過言では無い。どちらも味濃いめではあるが、「大島」の方がまろやかな印象。細かく言うと、麺やニンニク、生姜、チャーシューの違いなどがある。味噌ラーメン好きは“大島派”と“三ん寅派”で二分するほど拮抗(きっこう)しており、どちらを選ぶかは、各人のちょっとした好みの差といえる。ちなみに、「味が濃い」という場合には、スープで薄めてくれるのでご安心を。
この記事の筆者:大崎 裕史
株式会社ラーメンデータバンク取締役会長。28,500杯(2023年11月末現在)を食破した自称「日本一ラーメンを食べた男」として、メディアで幅広く活動中。
株式会社ラーメンデータバンク取締役会長。28,500杯(2023年11月末現在)を食破した自称「日本一ラーメンを食べた男」として、メディアで幅広く活動中。