「魔の7年目」も怖くない? 多様化するK-POPアイドルのキャリア
矢野:日本も韓国も、芸能事務所とアーティストのパワーバランスや関係性が変化していることを日々感じます。事務所が圧倒的な力を持っていた時代、グループを不本意な状態で解散させたり、会社の方針にマッチしないメンバーを簡単に放出したりすることで、一体誰が得をしたというのでしょう。周りのスタッフや多くのファンをも不幸にしました。
ゆりこ:さらにK-POPの大手事務所は上場しているため、スキャンダルだけではなく、誰かの脱退・移籍の報道によっても株価が急落します。経済をも動かす問題なのです。
矢野:なるほど。ではなおさら、きちんとグループの存続を明言し、それを実行しないと経営問題にも関わってきますね。今後も「グループを続けながら、ソロは個人事務所で」というスタイルが定着すれば「魔の7年目」というイヤな言葉も廃れていくかもしれません。
ゆりこ:そうなってほしいですね。BTSのようにデビュー時のメンバーが全員そろっているグループは少ないですが、それでも流行り廃りが激しいと散々言われていたK-POP界の中でも“10年を超える長寿グループ”が増えてきました。個人的には喜ばしい傾向だと思っています!
矢野:ここまでお話しした中だと、メリットの方が多いように感じられるのですが、逆に「アイドルの独立、移籍」が増えることによるデメリットはあるのでしょうか? ファンにとっても混乱する部分は少なからずあります。
ゆりこ:アーティストの立場としても、大きな組織に所属していた方が楽な部分があると思いますよ。ではなぜ彼らは独立、移籍するのか。どのようなことが起きる可能性があるのか。続きは続編でお話ししましょう!
【ゆるっとトークをお届けしたのは……】
K-POPゆりこ:韓国芸能&カルチャーについて書いたり喋ったりする「韓国エンタメウォッチャー」。2000年代からK-POPを愛聴するM世代。編集者として働いた後、ソウル生活を経験。
編集担当・矢野:All Aboutでエンタメやメンズファッション記事を担当するZ世代の若手編集者。物心ついた頃からK-POPリスナーなONCE(TWICEファン)。