日付は「咲く(3×9)=27」の語呂合わせと、七十二候の1つ「桜始開(さくらはじめてひらく)」にあたる時期であることにちなんで制定されました。
今回は関東と関西で桜餅が全然違うものであることなど、「違いの分かる人」になれる桜の豆知識をご紹介します。
桜の名所「吉野山」の桜はソメイヨシノではない
日本の桜の8割以上を占める「ソメイヨシノ」は、江戸時代末期にオオシマザクラとエドヒガンを交配させて生まれた品種。その中でも特徴のある1本を選び抜いて、接ぎ木によって全国に植えられたクローンであるために、一斉に咲いて一斉に散る特徴があります。
江戸の染井村(現在の東京都豊島区駒込近辺)の植木職人たちによって、当初は桜の名所である奈良県の吉野山にちなんで「吉野桜」として売られていましたが、吉野山の桜はソメイヨシノではなく、以前からある「ヤマザクラ」であるため、後に「ソメイヨシノ」と改められました。
お花見の三色団子がピンクと白と緑の理由
桜といえばお花見、お花見といえばカラフルな三色団子ですが、実はその起源は定かではありません。1598年に豊臣秀吉が「醍醐の花見」という盛大な茶会を開催した際、女性が喜ぶかわいいお茶菓子として考案されたという説もありますが、裏付ける資料は残っておらず、三色団子が定着したのは食紅が広まった明治以降とされています。
起源は不明ですが、三色団子がピンクと白と緑である理由は、ピンクはつぼみ、白は満開、緑は散った後の葉桜と、桜の咲く順番を表しているとされています。
また、ピンクは春の桜、白は冬の雪、緑は夏の葉と、四季を表しているという説も。秋がないのは、団子が4つになると食べ「飽き」てしまう、商い(秋無い)が繁盛するように、という意味があるんだとか。
とにかくおめでたい団子であることは間違いありません!
関東と関西で「桜餅」が全然違う!
桜の季節に食べたくなるのが桜餅。実は、関東と関西で全く別の和菓子を指すってご存じでしたか?関東の桜餅は、クレープのように薄く焼いた小麦粉生地で餡を挟んだもの。1717年、東京の「長命寺桜もち」の創業者である山本新六さんが考案して、隅田川にある長命寺の門前で売り始めたのが最初です。
関西の桜餅は、蒸した餅米を乾燥させた後に粗挽きした道明寺粉の餅で餡を包んだもの。1800年代前半、関東の桜餅の人気にならって、大阪発祥の道明寺粉を使って作るようになったとされています。
どちらも塩漬けにした桜の葉で包むのは同じ。ちなみに、桜の葉は食べても食べなくてもよいとされています。
今年もやってきた桜の季節。三色団子や桜餅で、お花見を楽しみましょう!
この記事の筆者:石川 カズキ
1984年沖縄県生まれ。筑波大学人間学類卒業後、会社員を経て芸人・作家・コピーライターに。エレキコミック・ラーメンズを輩出した芸能事務所トゥインクル・コーポレーション所属。第60回宣伝会議賞コピーゴールド受賞、LOFT公式YouTubeチャンネル『コントするイシカワくん』シリーズのコント台本・出演、KNBラジオCMコンテスト2020・2023協賛社賞受賞など。お仕事あればお気軽にご連絡ください。AIから仕事を奪うのが目標です。