メソッドの意味とは? ビジネス、プログラミングなどシーン別の使い方や例文を解説

「メソッド」とは方法や方式といった意味で、ビジネスシーンでは「業務効率化や生産性向上を図るための手法」を意味します。IT・プログラミング分野においては、「メソッド」とは、オブジェクト指向プログラミングにおける「オブジェクトに対する手続き」のことを指します。

メソッドの意味とは? ビジネス、プログラミングなどシーン別の使い方や例文を解説
メソッドの意味とは? ビジネス、プログラミングなどシーン別の使い方や例文を解説

「頭がよくなる〇〇メソッド」「絶対に痩せる〇〇メソッド」など、書籍やSNSなどでも頻繁に見かける「メソッド」という言葉ですが、意味がよく分からないまま使っている人も多いようです。実は「メソッド」は使われるシーンによって意味合いが大きく異なるため、正しく使うためには本当の意味を理解しておく必要があります。今回は、メソッドの意味やシーン別の使い方について現役フリーアナウンサーの酒井千佳が解説します。

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<目次>
「メソッド」の意味とは
ビジネスシーンでの「メソッド」の意味
IT・プログラミング言語での「メソッド」の意味
日常生活での「メソッド」の意味
「メソッド」の使い方・例文
「メソッド」の言い換え・類語は?
まとめ

「メソッド」の意味とは

まずは、広く使われている「メソッド」の意味について見てみましょう。冒頭でも例に出した「頭がよくなる〇〇メソッド」のような「メソッド」は、英単語の「method」をそのまま使ったもので、一般的には以下のように訳されます。

・方法、方式、手法、方途
・規則正しさ、順序正しさ、秩序、筋道
・オブジェクトへの操作命令

つまり、「メソッド」の意味とは、目的を達成するために作られた方法や方式のことです。「メソッド」と聞くと難しく感じてしまうかもしれませんが、先ほどの例であれば「頭がよくなる方法、手法」と置き換えることで分かりやすくなります。

ビジネスシーンでの「メソッド」の意味

ビジネスシーンにおいても「メソッド」の基本的な考え方に大きな違いはなく、経営上の意思決定や業務の生産性向上、企業を成功へと導くための手法といった意味で使われています。また、「ビジネスメソッド」という1つのキーワードとして使われることも多く、その場合は「業務の効率や生産性を向上させるための方法論」などと訳されます。

代表的なビジネスメソッドが「PDCAサイクル」で、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」を繰り返すことで業務改善を行っていくという考え方です。

関連記事:PDCAサイクルの意味とは? 時代遅れと言われる理由、回すポイントやメリット・デメリットを解説

IT・プログラミング言語での「メソッド」の意味

IT・プログラミング言語では「メソッド」はより限定的な意味を持ちます。

IT・プログラミング言語における「メソッド」とは、主にオブジェクト指向プログラミングにおける「オブジェクトに対する手続き」のことを指す言葉です。「オブジェクト」とはプログラム要素の1つで、簡単に言うとデータとそのデータを操作するための方法をひとまとめにしたものを指します。オブジェクトには「属性」「操作」の2つの要素があり、それらのうち「操作」について定義されたものをメソッドと呼んでいます。つまり、メソッドの中には、「オブジェクト」の操作内容が実装されており、外部から呼び出したメソッドを起動することにより、その内容が実行されるという仕組みです。

このように、IT・プログラミング分野における「メソッド」には特定の意味があります。エンジニアなど分野に精通した人と話すときに「メソッド=方法、方式」という意識では、話の内容が食い違ってしまう可能性があるため注意しましょう。

日常生活での「メソッド」の意味

ビジネスシーンにおいて「メソッド」が頻繁に使われるようになった影響で、日常生活の中にもメソッドというワードが浸透してきました。

特に多いのは教育商材で、書店には「人生を変える最強メソッド」「痩せるトレーニングメソッド」といった書籍が並びます。また、全国に音楽教室を展開するヤマハの「yamahaメソッド」、これまで蓄積したノウハウを公開したコナミスポーツクラブの「コナミメソッド」など、私たちになじみの深い企業でも「メソッド」が使われています。

教育商材や企業のマーケティングにおいて、ネーミングやキャッチコピーは非常に重要な要素です。昔からある「方法」「方式」ではなく「メソッド」を使うことで、より消費者の興味を引くといった効果を期待する狙いもあるのかもしれません。

「メソッド」の使い方・例文

メソッドの意味が理解できたところで、今度は実際の使い方を知っておきましょう。

【ビジネスシーンでの例文】
「効率化を図るために、部署内で独自のメソッドを構築しよう」
「今の経営メソッドでは、市場の変化について行けない可能性がある」
「どのビジネスメソッドを取り入れるか、一度集まって検討したい」

【IT・プログラミング言語での例文】
「メソッドは再利用性が高く、異なる場所で同じ処理を必要とする場合に非常に便利だ」
「オンラインフォーラムに参加すれば、メソッドからエラーの対策までまとめて学ぶことができる」

【日常生活での例文】
「このメソッドを取り入れれば、確実にタイムが上がるはずだ」
「これは、子どもの主体性を育むために有効な教育メソッドだ」

「メソッド」の言い換え・類語は?

ビジネスシーンで「メソッド」がよく使われているとはいえ、実際その意味を正しく理解していない人も多くいます。「ちゃんと伝わってるかな?」と感じたときは、以下のように言い換えてみるといいでしょう。

・方法
・手法
・手段
・手順
・手だて
・戦術 
など

まとめ

「メソッド」の意味やシーン別の使い方、言い換え表現について解説しました。一般的に「メソッド」とは方法や方式といった意味で使われており、特にビジネスシーンでは「業務効率化や生産性向上を図るための手法」と捉えておくと、分かりやすいと思います。一方で、IT・プログラミング分野においては、「メソッド」が限定的な意味を持つことを覚えておきましょう。

「メソッド」は、ビジネスシーンで頻繁に使われる言葉ではありますが、相手が本来の意味を理解しておらず、話が十分に伝わっていないケースも珍しくありません。「メソッド」という言い回しにこだわらず、適度に言い換え表現を取り入れていくと効果的です。

■執筆者プロフィール
酒井千佳
酒井 千佳(さかい ちか)
フリーキャスター、気象予報士、保育士。
京都大学 工学部建築学科卒業。北陸放送アナウンサー、テレビ大阪アナウンサーを経て2012年よりフリーキャスターに。NHK『おはよう日本』、フジテレビ『Live news it』、読売テレビ『ミヤネ屋』などで気象キャスターを務めた。現在は株式会社トウキト代表として陶芸の普及に努めているほか、2歳からの空の教室「そらり」を主宰、子どもの防災教育にも携わっている。
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