全国のお土産店に“木刀”が置いてあるのはなぜ? 日本の「お土産」と海外の「スーベニア」の違いは?

3月8日は土産の日! 今回は「おみやげ」の語源や、日本と海外のお土産の違いなど、違いの分かる人になれるお土産の豆知識をご紹介します。

土産の日
3月8日は土産の日! 日付が「み(3)や(8)げ」と読めることから、全国観光物産振興協会によって制定されました。

今回は、日本と海外のお土産の違いなど、違いの分かる人になれるお土産の豆知識をご紹介します。

「おみやげ」の語源は?

「その土地の産物」を指す漢語「土産(とさん)」に「みやげ」という読みを当てるようになったのは室町時代以降。諸説ありますが、神社のお札を板に貼った「宮笥(みやけ)」が由来とされています。

伊勢神宮などへの参拝は庶民の夢でしたが、費用がかかるために簡単ではありません。そこで、村人みんなでお金を出し合い、全員の祈願を託した代表者が参拝する仕組みを作り出しました。

代表者は、神社でもらう宮笥を村人分買って帰りました。この風習がやがて宮笥だけでなく、その土地の産物を買って帰るようになったのが「お土産」の起源とされています。

日本と海外の「おみやげ」の違い

おみやげの英訳は「souvenir(スーベニア)」で、同じく旅先で買う品物のことですが、意味が少し違います。

日本のおみやげは、起源である「宮笥」がそうであるように、基本的に周りの人へ配るもの。一方のスーベニアは、基本的に自分のための旅の記念品を指します。

そのため、おみやげは気軽に配りやすい食品が多く、スーベニアは手元に残る工芸品などが選ばれる場合が多いという違いもあります。

全国のお土産店に木刀がある理由

修学旅行のお土産店になぜか並んでいる木刀。つい買ってしまったという人も多いのではないでしょうか。

お土産としての木刀を作り始めて全国へ広めたのは、福島県の木製品の製造メーカーであるタカハシ産業の高橋さん。

昭和45年ごろ、白虎隊の眠る地である会津若松のお土産として木刀を売り始め、高橋さん自ら京都や奈良など修学旅行先のお土産品店を回って営業を行うことで、全国に広がりました。

元祖であるタカハシ産業は、昔ながらの機械で今でも木刀を作り続けているとのこと。周りに配る「おみやげ」ではなく自分への「スーベニア」として、令和の今も日本全国の修学旅行生の心をつかんでいるようです。

周りの誰かに買って帰るのも、自分の記念品としても。次の旅行では、お土産にこだわってみてはいかがでしょうか。


この記事の筆者:石川 カズキ
1984年沖縄県生まれ。筑波大学人間学類卒業後、会社員を経て芸人・作家・コピーライターに。エレキコミック・ラーメンズを輩出した芸能事務所トゥインクル・コーポレーション所属。第60回宣伝会議賞コピーゴールド受賞、LOFT公式YouTubeチャンネル『コントするイシカワくん』シリーズのコント台本・出演、KNBラジオCMコンテスト2020・2023協賛社賞受賞など。お仕事あればお気軽にご連絡ください。AIから仕事を奪うのが目標です。
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

編集部が選ぶおすすめ記事

注目の連載

  • 「港区女子」というビジネスキャリア

    深刻な男女賃金格差から「港区活動」を“就職先”にする危険性。港区女子になれなかった女子大生の末路

  • ヒナタカの雑食系映画論

    草なぎ剛主演映画『碁盤斬り』が最高傑作になった7つの理由。『孤狼の血』白石和彌監督との好相性

  • 世界を知れば日本が見える

    もはや「素晴らしいニッポン」は建前か。インバウンド急拡大の今、外国人に聞いた「日本の嫌いなところ」

  • 海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン

    外国人観光客向け「二重価格」は海外にも存在するが……在欧日本人が経験した「三重価格」の塩対応