今回は、日本と海外のお土産の違いなど、違いの分かる人になれるお土産の豆知識をご紹介します。
「おみやげ」の語源は?
「その土地の産物」を指す漢語「土産(とさん)」に「みやげ」という読みを当てるようになったのは室町時代以降。諸説ありますが、神社のお札を板に貼った「宮笥(みやけ)」が由来とされています。伊勢神宮などへの参拝は庶民の夢でしたが、費用がかかるために簡単ではありません。そこで、村人みんなでお金を出し合い、全員の祈願を託した代表者が参拝する仕組みを作り出しました。
代表者は、神社でもらう宮笥を村人分買って帰りました。この風習がやがて宮笥だけでなく、その土地の産物を買って帰るようになったのが「お土産」の起源とされています。
日本と海外の「おみやげ」の違い
おみやげの英訳は「souvenir(スーベニア)」で、同じく旅先で買う品物のことですが、意味が少し違います。日本のおみやげは、起源である「宮笥」がそうであるように、基本的に周りの人へ配るもの。一方のスーベニアは、基本的に自分のための旅の記念品を指します。
そのため、おみやげは気軽に配りやすい食品が多く、スーベニアは手元に残る工芸品などが選ばれる場合が多いという違いもあります。
全国のお土産店に木刀がある理由
修学旅行のお土産店になぜか並んでいる木刀。つい買ってしまったという人も多いのではないでしょうか。お土産としての木刀を作り始めて全国へ広めたのは、福島県の木製品の製造メーカーであるタカハシ産業の高橋さん。
昭和45年ごろ、白虎隊の眠る地である会津若松のお土産として木刀を売り始め、高橋さん自ら京都や奈良など修学旅行先のお土産品店を回って営業を行うことで、全国に広がりました。
元祖であるタカハシ産業は、昔ながらの機械で今でも木刀を作り続けているとのこと。周りに配る「おみやげ」ではなく自分への「スーベニア」として、令和の今も日本全国の修学旅行生の心をつかんでいるようです。
周りの誰かに買って帰るのも、自分の記念品としても。次の旅行では、お土産にこだわってみてはいかがでしょうか。
この記事の筆者:石川 カズキ
1984年沖縄県生まれ。筑波大学人間学類卒業後、会社員を経て芸人・作家・コピーライターに。エレキコミック・ラーメンズを輩出した芸能事務所トゥインクル・コーポレーション所属。第60回宣伝会議賞コピーゴールド受賞、LOFT公式YouTubeチャンネル『コントするイシカワくん』シリーズのコント台本・出演、KNBラジオCMコンテスト2020・2023協賛社賞受賞など。お仕事あればお気軽にご連絡ください。AIから仕事を奪うのが目標です。