今回は「ロウリュ」と「熱波」の違いなど、違いの分かる人になれるサウナの豆知識を紹介します!
日本初のサウナは熱すぎて歩けなかった!?
日本に初めてサウナができたのは、1950年代。銀座にある温浴施設「東京温泉」に作られたのが最初とされています。初代社長の許斐氏利さんが、同年のメルボルン五輪にクレー射撃選手として出場した際、選手村で見たサウナに触発されたことがきっかけです。
その際に作られたサウナは、壁や床に配管を張り巡らせて、蒸気を通して部屋を温める独自の形式。フィンランドとは違う日本式ドライサウナの系譜がここから始まりました。
ただし、当時は床が熱くなり過ぎて、跳んで歩かないと入れなかったそうです……!
「日本のサウナ」と「フィンランドのサウナ」の違い
さまざまな方式があるサウナですが、大きく「ドライサウナ」と「ウェットサウナ」の2種類に分けることができます。ドライサウナは、温度が高く湿度が低いタイプ。昔ながらの日本式はこちらに該当します。比較的短時間で温まる反面、乾燥しやすく、息苦しく感じる場合もあります。
一方のウェットサウナは、温度が低めで湿度が高いタイプ。比較的ゆっくり温まって、肌もしっとり。「スチームサウナ」や「ミストサウナ」もこちらに分類されます。
フィンランドのサウナは、分類としてはドライサウナの一種。昔ながらの日本のサウナとの違いは、日本式が100℃前後と高温なのに対して、フィンランド式は80℃前後とやや低め。そして熱した石にアロマ水をかけて水蒸気を発生させる「ロウリュ」を行うのも特徴です。
湿度を高めることで乾燥を和らげ、アロマによるリラックス効果も期待できるので、昔ながらの日本式が苦手という方にもおすすめです。
「ロウリュ」と「熱波」の違い
フィンランド式サウナには、ロウリュを行う際にタオルで熱風を送ってくれる「熱波師」さんがいる場合もありますが、実は「ロウリュ」と「熱波」は別物。フィンランド発祥でもありません。ロウリュの際にタオルで熱風を送るのはドイツ発祥で「アウフグース」と呼ばれるサービス。日本では当初ロウリュと混同されていましたが、その後呼び分けるようになり、最近では「熱波」とも呼ばれています。
近年ではタオルをジャグリングのように回すなどエンターテインメント性のあるパフォーマンスを行う熱波師さんも増え、2023年には世界大会で日本人初の王者も誕生しています。
さまざまな楽しみ方があるサウナ。この機会にお気に入りの施設を探してみてはいかがでしょうか。
この記事の筆者:石川 カズキ
1984年沖縄県生まれ。筑波大学人間学類卒業後、会社員を経て芸人・作家・コピーライターに。エレキコミック・ラーメンズを輩出した芸能事務所トゥインクル・コーポレーション所属。第60回宣伝会議賞コピーゴールド受賞、LOFT公式YouTubeチャンネル『コントするイシカワくん』シリーズのコント台本・出演、KNBラジオCMコンテスト2020・2023協賛社賞受賞など。お仕事あればお気軽にご連絡ください。AIから仕事を奪うのが目標です。