All About ニュース編集部は、2023年12月20~29日の期間、現在実家暮らしをしている人を対象にアンケート調査を実施。毎月の生活費や貯金額、実家暮らしをしている理由などを聞きました。
今回は、大阪府高槻市在住・42歳男性のエピソードを紹介します。
>【男女別内訳】1人暮らしの1カ月あたりの平均生活費を見る
回答者のプロフィール&実家の状況
回答者本人:42歳男性在住:大阪府高槻市
同居人数:親1人、自分
世帯年収:親120万円(年金のみ)、自分360万円
実家の間取り:マンション3LDK
職業:会社員
生活費や貯金額は?
実家に入れている生活費:7万円交際費:2万円
毎月のお小遣い:1万円
毎月の貯金額:1万円以下
貯金総額:10万円
総務省統計局が発表した「家計調査報告書 家計収支編(2023年)」によると、35〜59歳男性の1カ月の平均消費支出は20万1949円です。そのうち、住居費の平均は3万5462円ですが、家賃などは地域や条件によって差が出てくるので、住居費を除いた16万6000円程度が回答者の属性に近い平均生活費ということになります。
回答者に、実家を出る予定と恋愛・結婚への願望について聞くと、両方とも「なし」と話しました。
親の介護と自身の病気をきっかけに実家へ
現在、回答者が実家暮らしをしている理由は2つあるとのこと。1つは「親が間もなく後期高齢者(75歳)を迎え、介護や生活支援について金銭も心身も必要になってきた」ため、そしてもう1つは「私も昨年に脳梗塞を発症し、在宅勤務をしているため、勤務しながら親の面倒が同居することで見やすいと判断したため」だといいます。
自身の病気とそれに付随して仕事スタイルが変化したこと、そこに両親の介護を考えた結果、実家へ戻ることが効率的だと判断したようです。
実家での苦労は「金銭面での子供世代から親世代へのサポート」
一方、実家暮らしでは共同生活について苦悩があるようで、「やはり親と同居するとなると、子供世帯の生活環境は親中心になりがちです。もちろん、家事も食事も子供が率先して行うべきであることは承知していますが、最初は少なからず『なんでもやってくれて申し訳ない』と思っていたであろう親も、そのうち『してくれて当たり前』『そこまでは気が利かないんだね』と段々見る目も変わってきてしまいます」と胸の内を吐露。また、経済的な苦労について尋ねると「金銭面での子供世代から親世代へのサポート」だと回答しました。
「介護が必要な親とは基本、同居することになりますが同一世帯、同一生計となるため政府の非課税世帯への給付金といった経済対策は当然ながら私に収入があるため対象外となります。ただ、そういった給付金のために世帯を分ける事は認められないケースもあります。国民の実態にあった公的支援や使える既存のサポートを知りたい」と話し、公的機関のサポートを必要としていることも明かしました。
経済的な面で問題や負担を抱えているものの、現在の生活が1番効率的であると感じている回答者。共同生活に悩みはつきものであり、我慢しなければいけない部分もあります。1つ1つ悩みを解決していくことが、生活を今より充実したものにする鍵になりそうです。
※回答者のコメントは原文ママです
この記事の筆者:鎌田 弘 プロフィール
ニュース記事を中心に執筆中のライター。IT企業のメディア担当を経て現在に至る。All AboutおよびAll About ニュースでのライター歴は2年。