「リソース」は、「資源」「物資」といった意味の言葉です。この記事では、ビジネスにおけるリソースの意味や使い方のほか、経営リソースの種類、マネジメント方法について詳しく解説しています。
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<目次>
・リソースの意味とは
・ビジネスにおけるリソースの意味
・ビジネスにおけるリソースの3つの使い方
・経営リソースの種類
・リソース管理が重要な理由
・リソース管理をするメリット
・リソース管理やリソースマネジメントの方法
・IT業界におけるリソースとは
・ゲーム用語としてのリソースとは
・まとめ
リソースの意味とは
リソースとは、「資源」を意味するカタカナ語です。英語で「資源」「物資」「資金」「供給源」「援助」などの意味を持つ「resource」に由来しています。・リソースの類義語「アセット」との違い
リソースと似た意味を持つ言葉の一つに「アセット」があります。アセットは、一般的に「資産」と訳され、そのまま所持しているだけでも価値のあるものを指します。例えば、不動産や土地、証券、暗号資産、特許など、換金性があり消費されにくいものが該当します。一方リソースは、活用して初めて価値が生まれるものであり、使用することによって消費されていくという特徴があります。ビジネスにおけるリソースの意味
ビジネスシーンでは、事業を進めるために必要な資金や人材、物資などの資源全般を「リソース」と呼びます。各リソースは有限であるため、企業は限られたリソースを最適に配分、活用し、成果や利益の最大化を目指すことが求められます。ビジネスにおけるリソースの3つの使い方
次に、ビジネスの場における「リソース」の使い方について、例文を交えてご紹介します。・ヒューマン リソース マネジメント
特に、経営や人事の領域で頻繁に耳にするのが、「ヒューマン・リソース・マネジメント(Human Resource Management)」です。ヒューマン・リソース・マネジメントとは、人材をコストとして捉えるのではなく、企業の成長に欠かせない重要な経営資源として、有効に活用していこうとする考え方のことです。英語表記を略してHRM、あるいは人的資源管理と呼ばれることもあります。近年は、少子高齢化による人材不足、転職市場の活性化などに伴い、人材の確保が難しくなってきています。そのため、教育や人材配置、人事評価などを通して従業員の成長を促し、一人ひとりの生産性を高めて目標達成、業績向上を目指すヒューマン・リソース・マネジメントの考え方に注目が集まっています。【例文】「ヒューマン・リソース・マネジメントの観点から、従業員の育成制度を見直し、スキルの獲得やスキルアップを目指せる研修を導入した」
・経営リソース
企業が経営活動を安定的に進めていくために必要なあらゆるリソースのことを、「経営リソース」または経営資源と呼びます。前述したヒューマンリソースよりも、さらにマクロな視点で企業の資源を捉えたもので、経営者はそれぞれを適切かつ有効に活用していくことが求められます。経営リソースは6種類に細分化されますが、詳しくは次項でご紹介します。【例文】「スタートアップでは、経営リソースを一つのプロダクトに集中させることがセオリーだ」
・外部リソース
「外部リソース」とは、「社外や組織外にある資源」のことです。社内のリソースが十分でない場合、豊富な知見やノウハウを持つ社外の専門家を呼んだり、仕事を外部へ発注(アウトソーシング)したりすることで、業務の効率化やスピーディーな問題解決が期待できます。また、内製化するよりもコストが下がる、従業員の負担が軽減されるといったメリットもあります。【例文】「繁忙期は、経理業務の一部を外部リソースに頼って、担当者はコア業務に専念できるようにしよう」
経営リソースの種類
経営リソースの種類は、有形財産であるヒト、モノ、カネと、無形財産である情報、時間、知的財産の6つに分けられます。ここでは、それぞれのリソースについて詳しく解説します。・ヒト
「ヒト」は、企業に属する人材や、その人材が持つ能力のことです。モノ、カネ、情報など、他のリソースを活用して利益を生み出す存在であることから、経営リソースの中でも特に重要視すべきものとされています。近年は、人材を「より価値のある存在」として考え、人材への積極的な投資によって企業価値や競争力の向上を目指す経営手法「人的資本経営」がクローズアップされるようになりました。人的資本経営は、投資家からも高い評価を受けやすく、より「ヒト」に重きを置いた経営に取り組む企業も増えています。・モノ
「モノ」とは、企業が提供する商品、サービス、あるいは保有する設備や備品など、物質的な資源全てを指します。モノを活用することで利益が生み出されるほか、業務の効率化や生産性向上も期待できます。
ただし、モノの導入、運用には一定のコストがかかりますので、適切な選択と活用が求められます。
・カネ
「カネ」は、お金のことを指します。売上や運用で得た資金のほか、従業員に支払う給料、オフィス賃料、開発資金など、コストもカネに含まれます。財務分析などにより、収入と支出をきちんと把握、管理することでカネがうまく循環し、経営状態を良好に保つことができます。・情報
「情報」とは、企業が所有している顧客情報やブランドイメージ、信用などのことです。情報は金銭でやりとりできない無形資産であり、積み上げていくには時間がかかりますが、それらの情報は、企業の独自性や市場優位性の発揮に貢献します。・時間
「時間」とは、企業活動でかかる時間全てを指します。時間は有限であり、生産性を高めるためには、限られた時間をいかに効率よく使うかが重要となります。・知的財産
情報の中でも、企業独自の技術や特許、商標、著作権、従業員の持つノウハウなどは、「知的財産」のリソースとして扱われます。知的財産は、企業の強みとなる価値であり、それらを守ることは経営にとっても大きなメリットがあります。リソース管理が重要な理由
プロジェクトをスムーズに遂行し、成功に導くためには、リソース管理が重要です。リソース管理が不十分だと、人手不足によるキャパシティオーバー、スケジュールの遅延、資金不足などに陥る可能性があり、最悪の場合はプロジェクトそのものが中断、中止に追い込まれてしまうこともあるでしょう。リソースを確保する段階で、ヒト、モノ、カネといった各リソースをどこに割けば利益を最大化できるのか、効率化できるのかを考え、最適解を出すことが大切です。また、組織内のノウハウやメンバーのモチベーションなど、可視化が難しいリソースについても把握、管理しておくことが望ましいでしょう。
リソース管理をするメリット
ここでは、リソース管理をするメリットを詳しくご紹介します。・自社全体の状況を把握できる
リソース管理を行うことで、自社全体の現状把握が可能です。利益を上げている、または成果が出ていない事業はどれかなどを俯瞰的に把握することで、事業の見直しや軌道修正、撤退を含めた適切な経営判断が下せます。・人的リソースを適切に配置できる
どの部署が人手不足なのか、余剰人員が出ている部署はどこなのか、それぞれの従業員がどのようなスキルや経験を持っているのか、といった点を把握していると、従業員の能力を最大限生かした適材適所の人員配置が可能となります。また、新たな人材採用が必要になった場合も、人的リソースを管理できていれば、今どんな人材を必要としているのか、どこに配属すべきかを明確にすることができます。採用にかかるコストの削減や、雇用のミスマッチによる損失を防げるでしょう。・適切な投資ができる
リソース管理をすることで、投資すべき部分とそうでない部分の見極めができ、適切に投資することができます。全ての事業に一律で資金を投入するのではなく、無駄な部分を削り、伸びている事業に注力すれば、利益をさらに大きくすることもできるでしょう。
リソース管理やリソースマネジメントの方法
最後に、各経営リソースの具体的なマネジメント方法についてご紹介します。・ヒトのマネジメント方法
ヒトのマネジメント方法としては、以下のようなものが挙げられます。・多様な人材が活躍できるような雇用制度の導入
・従業員の能力やスキルを生かせる、適材適所の人員配置
・公平かつ本人の成果が反映される人事評価制度へのアップデート
・研修をはじめ、スキルアップを図れる教育機会の提供
・モノのマネジメント方法
モノのマネジメントでは、新しく導入するものだけでなく、すでに所有している備品や設備の見直しも重要です。以下の点を参考に、モノの管理を行いましょう。・初期費用、ランニングコスト、処分時の費用はそれぞれどの程度か
・中古品の購入、リースやレンタルの活用
・不要なリース品、契約がないかの見直し
・カネのマネジメント方法
カネのマネジメントとは、財務分析やキャッシュフローのチェックなどを行い、健全な財務体制を整えることです。正確な情報を把握した上で、費用対効果の確認や削減できそうなコストの洗い出し、改善を進めます。ただし、現状だけを見て削減や追加投資を判断するのではなく、中長期的な視点を持っておくことも重要です。・情報のマネジメント方法
情報のマネジメントとは、企業の中にあるさまざまな情報を整理、保存したり、まとめて蓄積したりすることです。例えば、特定の個人や部署だけが持っているノウハウを、社内wikiのようなツールを使って共有すれば、組織全体の知識や技術レベルが向上します。情報を求める人が、必要な時にすぐに情報にアクセスできる環境を整えておくことで、その都度社内からの問い合わせに対応する必要がなくなります。これにより担当者の負担も軽減され、業務の効率化につながります。さらに、業務の属人化が解消されることで、異動や退職の際の引き継ぎもスムーズに行えるでしょう。
・時間のマネジメント方法
時間のマネジメント(タイムマネジメント)とは、業務の進め方を見直して時間の使い方を改善し、仕事の生産性向上を図ることです。単にタイムスケジュールを定めるのではなく、優先順位の高い業務から取り組む、目標時間と達成目標を決めて行動するなど、「仕事を管理する」意識を持つことが大切です。・知的財産のマネジメント方法
知的財産のマネジメントとは、企業の独自技術や意匠などの知的財産を、適切な方法で保護、活用し、事業の発展を目指すことです。例としては、特許権や商標権、意匠権、実用新案権、著作権などの出願、取得が挙げられます。IT業界におけるリソースとは
IT業界では、コンピューター関連の機器、性能などを指して「リソース」と呼ぶことがあります。具体的には、以下のようなものが当てはまります。・CPUの処理能力
・メモリ容量
・ハードディスクなどの空き容量
・システムの稼働に必要な周辺機器、ネットワーク
・(プログラミング領域において)プログラム実行時に使用するデータ