「バジェット」とは、「予算」や「経費」、あるいは「格安の」といった意味の英語です。
本記事では、「バジェット」の意味やビジネスシーンにおける使い方について、現役フリーアナウンサーで日本語教師の阿部佳乃が例文を交えながら解説しています。
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<目次>
・ビジネスシーンで使われる「バジェット」の意味
・名詞としての「バジェット」の意味
・形容詞としての「バジェット」の意味
・業界別に「バジェット」の使い方と例文を紹介
・英語の「budget」をビジネスシーンで使う場合
・まとめ
ビジネスシーンで使われる「バジェット」の意味
「バジェット」とは、予算、経費、家計、生活費、国の予算案といった意味を持つ英語「budget」のカタカナ表現です。国・政府が立てる「予算案」のような規模の大きいものから、家庭における日々の生活費まで、幅広く「budget」と言い表すことができます。
ビジネスシーンでは、主に「予算」という意味で使われます。企業がどの程度の資金をどのように使うのか、前もって見積もることは、売上目標の達成や安定的な成長を目指す企業経営の観点からも欠かせないプロセスです。注意すべきなのは、「バジェット」の意味が品詞によって異なる点です。どのような文脈で用いられているのかを確認した上で、意味を把握するようにしましょう。
名詞としての「バジェット」の意味
名詞として用いられる「バジェット」は、主に「予算」や「経費」という意味があります。企業や組織における、ある期間内の収入・支出の計画、見積もりのことを指します。
形容詞としての「バジェット」の意味
「バジェット」が、「バジェット◯◯」のように名詞にくっつき、形容詞として使われる場合は、「低予算の」「格安の」「割安な」といった意味に転じます。
業界別に「バジェット」の使い方と例文を紹介
次に、各業界における「バジェット」の使い方と例文をご紹介します。
IT業界
IT業界における「バジェット」は、プロジェクトの進行やシステムの運用・保守など、一連の業務に関わる予算のことを指します。
【例文】「システムの開発段階で追加の作業が生じて、バジェット不足に陥った」
映画業界
映画業界では、「ビッグバジェット」あるいは「ローバジェット」という表現を耳にすることがあります。「ビッグバジェット」は大規模な予算で製作された映画で、例えば製作費が1億ドルを超えるようなハリウッド作品などを指します。一方、「ローバジェット」は、自主制作映画やインディーズ映画のように、小規模予算で製作されたものが当てはまるでしょう。
【例文】「ローバジェットは個性豊かで、その魅力に惹かれる映画ファンも多い」
アパレル業界
アパレル業界では、低価格の商品のことを「バジェット品」と呼びます。お買い得品を「バジェット・プライス」という名称で、一般の消費者に向けて売り出すこともあります。
【例文】「バジェット品でも、気に入っている服は大切に扱うようにしている」
旅行業界
旅行業界では、格安な旅行商品、ホテル、航空会社(LCC)などをそれぞれ「バジェットトラベル」「バジェットホテル」「バジェットエアライン」と呼ぶことがあります。サービスや設備は最低限ですが、その分格安で利用できる点が特徴です。
【例文】「近年はバジェットエアラインの就航が相次いでいて、より気軽に旅行や帰省ができるようになった」
英語の「budget」をビジネスシーンで使う場合
最後に、「budget」を使う英語表現の例をご紹介します。各例文では、「budget」を「予算」という意味で用いています。以下、例文です。
・We have to set up a budget for sales promotion.
(私たちは販売促進のための予算を組まなければならない)
・This project's budget is too small.
(このプロジェクトの予算は少なすぎる)
・The quote is greater than our budget.
(その見積額は予算オーバーだ)
まとめ
ビジネスシーンにおける「バジェット」は、主に「予算」という意味で用いられる言葉です。ただし、「バジェット」を形容詞として使う場合、「格安の」という意味になりますので、意図を正しく把握するためには、会話や文章の中で「バジェット」がどのように使われているかを理解することが大切です。