「『#精子提供』します」投稿主の正体は20代男性
「精子提供をしております。DMでのご相談をおまちしております」「O型、無償、シリンジ法。精子提供の活動をしています」
X(旧Twitter)で、「#精子提供」と検索すると、上記のような投稿が目にとまる。SNS上では、遺伝子が無償~数万円で“取引”されているのだ。
SNSで精子提供を行っている男性は、一体どのような人なのだろうか。SNS上で、精子提供を行っている男性に話を聞いた。
「結婚したくないけど、自分の子どもはほしい」提供は無償
「結婚願望がないので、結婚し子どもを産む、というルートは考えられなくて。でも自分の遺伝子は残したいなと」こう語るのは、ヨウジさん(仮名/20代後半/会社員)だ。彼は、SNSを通じて精子提供を行っている。提供は性交渉を伴わないシリンジ法で、金額は無料だ。
「SNSで『精子提供をしてほしい』と依頼を受けたら、実際にその方にお会いして話します。そこでお互い同意となれば、後日またお会いして精子を提供する形です」
今までにヨウジさんは、40人以上の女性に自身の精子を提供してきたという。
精子を提供した相手は、FTM(身体的な性は女性、性自認は男性)のパートナーを持つ人、無精子病の夫婦、選択的シングルマザーを望む人など、バックグラウンドもさまざまだ。
「年齢は、30代後半~30代の方が多いです。アラサーを過ぎて高齢出産に差し掛かり、最後の望みをかけて精子提供を決断した方が多いですね」
現在、ヨウジさんには、精子提供によってできた子どもが1人いる。
ヨウジさんは子育てには参画していないが、女性からは定期的に子どもの写真が送られてくるという。子どもはまだ幼いが、いずれ子どもが父親を知りたい、会いたいと言えば「子どもの出自を知る権利はしっかり尊重したい」と語る。