上司との焼き肉、誰が肉を焼くべき? おしぼりで口を拭いてはダメってホント? 【マナーのプロが解説】

上司と焼き肉に行く際、どのようなマナーに気を付ければよいのでしょうか。「All About」ビジネスマナーガイドの美月あきこが解説します。

上司と焼き肉に行く際、誰が肉を焼くべき? ほかに気を付けるべき点はある?
上司と焼き肉に行く際、誰が肉を焼くべき? ほかに気を付けるべき点はある?
新型コロナウイルスが5類に移行し、会社の上司や先輩と食事に行く機会も増えた今、気になるのが食事のマナー。今回は、上司と焼き肉にいったときのマナーについての相談に、「All About」ビジネスマナーガイドの美月あきこが回答します。
 

(今回の質問)
上司と焼き肉に行く際、誰が肉を焼くべきですか? ほかに気を付けるべき点はありますか?

(回答)
参加者の中で1番役職の低い人が、お肉を焼く係です。ただし、「鍋奉行」のように、焼肉のお肉を焼きたい上司もいるので、その場合はお任せしましょう。お肉を焼く順番や、取り分けの道具などにも注意が必要です。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

最も役職の低い人が焼くのがマナー

焼肉店でお肉を焼く係は、基本的には、参加者の中で1番役職の低い人が担当するのがマナーです。上司との席では、「自分が肉を焼く係」という意識を持つようにしましょう。

とは言え、上司や先輩の中には「お肉を焼くのが好き」「自分で焼かないと気が済まない」という人もいます。その場合は、「お願いしてもよろしいでしょうか」とお任せしましょう。そして、食べたら「焼き加減が絶妙ですね」「私はこんなに上手に焼けません」などと感謝の気持ちや味の感想を伝えると喜ばれます。ただし、最初から最後まで任せきりはNGです。「いつでも代わりますので。その際はおっしゃってください」と伝えて、気遣いをしましょう。

お肉を焼くときはタレのないものから

自身でお肉を焼く時は、タレのないものや赤身のものからにします。網や鉄板が汚れないように、タレのついたお肉は後で焼くのが理想です。網や鉄板を十分に熱してから焼き始めることや、一度にたくさんお肉を乗せ過ぎないことなどにも気を付けてください。

お肉を取り分けるときには、生肉の触れたトングは使わないよう、衛生面にも注意を払います。生肉の菌が焼けた肉に付着し、見ている人に不快感を与える場合があるためです。焼けたお肉を扱う時は、生肉に触れていないトングや箸を使うようにしましょう。

お肉を焼く時は、それだけに集中せず、適度に周りの人たちとコミュニケーションを取るのも大切です。周囲のお好みのお肉や焼き加減を確認したり、適宜声をかけたりすることで、気遣いのできる人という印象を与えることができます。話をしながら焼くので、唾が飛ぶのを気にする人がいる場合には、マスクを着けても良いでしょう。

焼けたお肉を自分のお皿に乗せる場合には、他の人に「私がいただいてもいいですか?」と一声かけるのがマナーです。タレをつけるときは、べったりとつけすぎないようにします。食事のマナーとして良くない涙箸(食材や箸先から汁をボタボタと垂らすこと)の原因になるためです。タレは軽くつけて、タレ皿のふちで汁気を落とすようにすると、涙箸を防げます。

おしぼりで口を拭くのはNG!

おしぼりは、お手拭き用です。口を拭いたり、テーブルを拭いたりしないでください。テーブルの汚れが気になる場合は、お店の人に台拭きをお願いしましょう。

また、お店によっては、ニオイや油はねを避けるためのカバーをバッグや洋服の上にかけてくれますが、ないときのために、ビニール袋を持っておくと便利です。
 
この記事の筆者:美月 あきこ
17年間の国際線キャビンアテンダント経験を基に人財育成トレーナーとして活躍。人財育成会社、CA-STYLE設立。全国で講演、研修経験多数。著書に『15秒で口説く エレベーターピッチの達人』(祥伝社)など。
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