掃除機は「サイクロン式」「紙パック式」どちらがおすすめ? 何が違うの?【家電のプロが解説】

掃除機は「サイクロン式」「紙パック式」どちらがおすすめなのか、家電エバンジェリストで「All About」デジタル・家電ガイドの安蔵靖志が回答します。

掃除機は「サイクロン式」「紙パック式」どちらがおすすめ?
掃除機は「サイクロン式」「紙パック式」どちらがおすすめ?
掃除機には「サイクロン式」と「紙パック式」がありますが、どちらを選べばよいのか分からない人もいるのではないでしょうか。

家電エバンジェリストで「All About」デジタル・家電ガイドの安蔵靖志が回答します。
 

(今回の質問)
掃除機は「サイクロン式」と「紙パック式」どちらがよいですか?

(回答)
一概にどちらがよいとは言い切れません。吸引力の持続性とランニングコストを重視するならサイクロン式、ゴミの捨てやすさとメンテナンスのしやすさを重視するなら紙パック式がおすすめです。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

吸引力が低下しにくく、パックのコストが不要なサイクロン式

サイクロン式には以下のようなメリットとデメリットがあります。

【サイクロン式のメリット】
●吸引力が低下しにくい

サイクロン式は吸い込んだ空気からサイクロン部で分離したゴミやホコリをダストケースに収集する仕組みになっています。分離性能が高い製品の場合、ダストケースにゴミがたくさん入っても吸引力が低下しにくいという特徴があります。ただし、ダストケースにフィルターを搭載する製品の場合はフィルターが目詰まりすると吸引力が低下するため、定期的にフィルターを掃除する必要があります。
 
●紙パックのランニングコストがかからない
ゴミやホコリをダストケースに直接収集する方式で、ゴミを収集するための紙パックが不要なため、ランニングコストがほとんどかかりません。
 
●たまったゴミの量が一目で分かる
ダストケースが透明や半透明になっているモデルの場合、ダストケースにたまったゴミの量が分かるため、いつゴミを捨てればよいのかが一目で分かります。
 
【サイクロン式のデメリット】
●ゴミを捨てる際にホコリが舞いやすい
ダストケースを開いてゴミを捨てる際、比較的密閉に近い状態になっている紙パック式に比べてホコリが舞いやすい特徴があります。そのため、ゴミを捨てる際にはなるべくホコリが舞わないように注意する必要があります。
 
●ダストケースの中の汚れが目立ちやすく、メンテナンスの手間がかかる
サイクロン式の掃除機には、ダストケースが透明もしくは半透明になっている製品が多くあります。そういった製品の場合、ダストケースの中の汚れが目立ちやすいのもデメリットです。また、汚れからにおいが発生した場合、水洗いなどでメンテナンスする必要があります。

ゴミが捨てやすく、メンテナンスしやすい紙パック式

紙パック式には以下のようなメリットとデメリットがあります。

【紙パック式のメリット】
●手を汚さず、ホコリを舞わせることなくゴミを捨てられる

吸い込んだゴミは紙パックの中に収集されるため、紙パックを取り外してゴミ箱に捨てるだけでゴミ捨てが完了します。そのため、ほとんどホコリが舞うことなくゴミを捨てることができます。
 
●紙パック内にたまったゴミを見ないで済む
紙パックは周囲が紙で覆われているため、中のゴミを見ないで済みます。間違って虫などを吸い込んでしまった場合でも、安心してゴミ捨てができます。
 
【紙パック式のデメリット】
●ゴミがたまると吸引力が低下しやすい

紙パック自体がゴミ収集フィルターになっているため、ゴミがたまってくると空気の通り道が少なくなり、吸引力が低下してしまいます。
 
●紙パックのランニングコストがかかる
紙パックは使い捨てのため、ランニングコストがかかります。紙パックがなくなると掃除できなくなってしまうため、掃除機の機種に合った紙パックを購入して保管しておく必要もあります。

一長一短あるが、現在の主流はサイクロン式

上記のようにどちらの方式にもメリットとデメリットがありますが、人気の中心はサイクロン式になっており、機種数も圧倒的にサイクロン式の方が多くなっています。好みに合わせて選ぶとよいですが、迷うのであればサイクロン式の方が選択肢が多いのでおすすめです。
     
この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
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