アンケート調査では「自動」派が多数?
「弱」と回答した人のコメントを見てみると、「常に風力が弱いので、使用電力量が小さく済む気がするから」(40代男性/三重県)「自動だと強になったり弱になったり電気使用量が自動的に切り替わる分運転量が多くて電気代がかかりそうだから」(30代女性/北海道)といったものがありました。
一方、「自動」と回答した人のコメントには、「自動のほうがその時の室内温度に合わせて調整してくれそうだから」(20代女性/香川県)「最適な温度になるよう運転されると思うから」(30代男性/東京都)といったものが。正しい使い方はどちらなのでしょうか?
正しい節電方法は「自動」!
正しい節電方法は、「自動」設定です。エアコンの電源をオンにした直後は温風がすごい勢いで出てくるため、「節電をしたければ風量を『弱』にした方がいいのでは?」と思う人も多いことでしょう。また、自動運転の場合、スタートした直後は風が強くなるため消費電力がかなり高くなったように感じる人もいるかもしれません。ですが、実は強風を弱風にしただけでは消費電力はほとんど下がりません。
弱運転をおすすめできないのは、「設定温度までなかなか達しない」「設定温度をキープできない可能性がある」という2つの問題があるからです。
自動運転と弱運転のメリットとデメリットをそれぞれ紹介しましょう。
【自動運転のメリット】
・設定温度まで素早く達する
・快適な温度を保ち続けてくれる
・設定温度に達すると暖房能力も風量も下げるので省エネになり、快適性と節電のバランスが取れる
【自動運転のデメリット】
・運転開始直後は強い風が不快に感じられる場合がある
【弱運転のメリット】
・常に弱い風が吹くため、風が体に当たるのが苦手な人には快適に感じられる場合がある
【弱運転のデメリット】
・設定温度まで達するのに時間がかかるうえ、それまで高い暖房能力で運転し続けるため、節電にならない
・外気温が高すぎる場合や低すぎる場合、設定温度まで達しない、もしくは設定温度を保ち続けられない場合がある
風量ではなく「設定温度」を見直しましょう
外気温の違いによって部屋が冷えすぎる場合や、暖まりすぎる場合などもあるかと思いますが、その場合は「風量」ではなくて「設定温度」を見直しましょう。政府が推奨する冬の「ウォームビズ」では室温20℃が推奨されています。地球温暖化対策として推奨されているため、できるだけ守りたいところではありますが、住環境によってはなかなか難しいかもしれません。
冬の暖房は20~23℃くらいを目安に「自動運転」にするのが、快適性と節電のバランスが取れた運転方法だと思います。
この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。