会社の忘年会に参加したくありません。断ったらマナー違反ですか?【ビジネスマナーのプロが解説】

忘年会を実施する企業も増えた2023年。しかし、「できれば行きたくない……」と考えている人も少なくないのでは。忘年会に参加しないことはマナー違反なのか、「All About」ビジネスマナーガイドの美月あきこが回答します。

会社の忘年会に参加したくない……断るのはマナー違反?
会社の忘年会に参加したくない……断るのはマナー違反?
新型コロナウイルスが5類に移行したことを受け、忘年会を実施する企業も増えているかと思います。しかし、「できれば行きたくない……」と考えている人も少なくないかもしれません。忘年会に参加しないことは、マナー違反なのでしょうか?

「All About」ビジネスマナーガイドの美月あきこが回答します。
 

(今回の質問)
会社の忘年会に参加したくありません。断るのはマナー違反でしょうか?

(回答)
会社の忘年会に参加したくない場合、断るのはマナー違反ではありません。ただし、断り方には注意が必要です。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

忘年会に参加しないこと自体はマナー違反ではない

職場の忘年会は、1年の仕事の成果を称え合ったり、同僚や上司とのコミュニケーションを深めたり、普段知り得ない会社の雰囲気や情報に出会える絶好の機会。そのため、参加を楽しみにしている人もいます。その一方で、さまざまな理由から参加を見送りたい人や、やむを得ず参加を見送る人がいることも事実です。中には忘年会が社内行事として業務時間に組み込まれている職場もあるようですが、一般的には勤務時間外の行事であることから、参加は強制されるべきものではありません。そのため、忘年会に参加しないこと自体はマナー違反ではないのです。

周囲への配慮を欠いた断り方はマナー違反。意識すべきポイントは?

ただし、決して忘れてはならないのは、職場の一員として「周囲への配慮を忘れない断り方」をすること。誤った断り方をすると、マナー違反になってしまいます。

断わり方には3つのポイントがあります。
1:誘っていただいたことへの感謝を伝える
2:欠席の理由を明確に伝え、うそや曖昧な言い訳を避ける
3:早めの連絡を心掛ける。直前や当日キャンセルはNG

不参加の場合、決まった時点ですぐに指定された方法で伝えるのがベスト。文章で伝える際には、「お誘いいただきありがとうございます。楽しみにしていましたが、最近は体調が優れずお酒を控えています。皆さんと一緒に盛り上がりたかったのですが、今回は自宅で静かに過ごします。どうか楽しい時間をお過ごし下さい」といった風に、まずは招待に対する感謝の気持ちを伝え、参加できないことを悔やむ気持ちを滲ませながら丁寧に断り、盛会を祈る言葉を添えたり、次回につながるポジティブな言葉で締めくくるようにしましょう。

欠席の理由は、健康上の問題や家族の事情など、できるだけ具体的で相手が納得できる理由を伝えます。「介護中の親の元に行かなくてはならない」「子どもが病気で看病が必要である」など、人によって理由はさまざまです。単刀直入に「参加したくない」というのも立派な理由ですが、「行きたくないので行きません」では、誘ってくれた人への配慮や敬意が感じられないどころか、相手の気分を害したり、人間関係を悪化させる原因となりますので要注意。見え透いたうそや曖昧な言い訳は、信用を失い、人間関係に悪影響を及ぼすので気を付けてください。

基本的に直前や当日のキャンセルはNGですが、突発的な理由で、どうしても行くことができない場合もあるかもしれません。その場合にはくれぐれも幹事に迷惑をかけないよう迅速な連絡手段で、欠席の理由と謝罪の気持ちを伝えましょう。あくまでも低姿勢で角の立たない断り方をすることが大切です。
 
この記事の筆者:美月 あきこ
17年間の国際線客室業務員経験をもとに人財育成トレーナーとして活躍。ベストセラーとなった「ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣」執筆。日本経済新聞、日本商工会議所などでマナー記事を連載。
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

編集部が選ぶおすすめ記事

注目の連載

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    静岡の名所をぐるり。東海道新幹線と在来線で巡る、「富士山」絶景ビュースポットの旅

  • ヒナタカの雑食系映画論

    『グラディエーターII』が「理想的な続編」になった5つのポイントを解説。一方で批判の声も上がる理由

  • アラサーが考える恋愛とお金

    「友人はマイホーム。私は家賃8万円の狭い1K」仕事でも“板挟み”、友達の幸せを喜べないアラサーの闇

  • AIに負けない子の育て方

    「お得校」の中身に変化! 入り口偏差値と大学合格実績を比べるのはもう古い【最新中学受験事情】