お年玉を受け取ったら「贈与税」がかかる? もらい方によっては注意が必要? 【FPが解説】

お正月に子どもたちがもらう「お年玉」。もらい方によっては贈与税がかかるかもしれません。どんな場合に税金がかかるのか、「All About」ガイドでファイナンシャルプランナー(FP)の松浦建二が解説します。

お年玉は贈与税がかかるって本当?
お年玉は贈与税がかかるって本当?
お正月に子どもたちがもらう「お年玉」。基本的には非課税ですが、場合によっては「贈与税」がかかる場合もあるそうです。

そんな「お年玉の贈与税」について、「All About」ガイドでファイナンシャルプランナー(FP)の松浦建二が解説します。
 

(今回の質問)
お年玉は贈与税がかかるって本当?

(回答)
お年玉があまりにも高額な場合や、親がまとめて渡す場合は贈与税がかかる可能性もあります。

 
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。 

「贈与税」はいくらからかかる?

お正月に子どもたちがもらう「お年玉」。有難くいただき、有効に活用したいところですが、もらい方によっては贈与税がかかるかもしれません。どんな場合に税金がかかるのか、改めて確認しておきましょう。

財産の贈与を受けた場合、1年間で基礎控除額110万円を超えたら贈与税がかかるので、贈与税の申告が必要です。贈与税の対象になる財産は現金だけでなく不動産や自動車などのモノも含まれます。

祖父母や親から未成年の子どもへ贈与した場合等で、贈与税がいくらかかるかは下記の速算表で計算できます。
贈与税率速算表(表:編集部作成)
贈与税率速算表(表:編集部作成)

贈与税の“対象にならない財産”もある

しかし、中には贈与税の対象にならない財産もあります。財産の性質や目的から贈与税をかけるにはふさわしくないと判断できる財産です。

例えば、子どもが扶養義務者である親から与えられた生活費や教育費のような、日常生活に必要でその都度与えられた場合には、贈与税はかかりません。

親が働いて得た勤労収入で子どもの洋服を買ったり、お小遣いをあげたり、塾代を払ったり……多くの世帯で実際にしていることでしょうが、贈与税は払っていないはずです。これは、親が子を養うのは当たり前であり、贈与税をかけるのにふさわしくない財産だから。お年玉も基本的には同じ考え方です。

高額なお年玉は贈与税の対象になるかも……

お年玉で贈与税がかかりそうなのは社会通念上の範囲を超えている場合です。社会通念上の範囲が具体的にいくらまでなのかは明確になっていませんが、1年あたり10~20万円程度なら社会通念上の範囲と言えるでしょう。

しかし、100万円になると一般的なお年玉の範囲を超えているのではないでしょうか。それでも基礎控除額があるので、110万円以下のお年玉なら贈与税はかかりません(他に贈与がない場合)。

子どもに数年分をまとめて渡すのは要注意!?

贈与税がかかりそうなもう1つの可能性として、お年玉を子どもがある程度大きくなるまで親が管理していて、ある年にまとめて渡すような場合があります。

仮に1年あたり10万円であっても、12年分貯めて120万円を一度にまとめて渡したら贈与税がかかってしまうかもしれません。親が管理している状態(子ども名義の預金口座に入れて親が管理している場合も含む)は子どもへまだ渡していない状態であり、12年分をまとめて渡したら120万円を一度に贈与したと見なされるかもしれないからです。

あくまで税法上のルールであり、お年玉で贈与税を払わされた話を聞いたことはありませんが、管理方法と渡し方には注意が必要です。「おかしなルール」と思う人も多いかもしれませんが、この様に1つ1つ決めておかないと税逃れをする人が出てくるので仕方ないことです。
 
小学生くらいまでは子どもが自分で管理するのは難しく、適切に使うことも難しいでしょうから、親が手本となり、うまくサポートしていくと良いでしょう。
 

この記事の筆者:松浦 建二

傍にいると便利な庶民派ファイナンシャルプランナー
FPとしてライフプランや保険の保障見直しに従事するガイドが、医療保険や共済をやさしく解説。

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