炊飯器は「長時間保温」「まとめ炊きして冷凍」どちらが節約になる?【家電のプロが解説】

炊飯器は「長時間保温」「まとめ炊きして冷凍」どちらが節約になるのか、「All About」デジタル・白物家電ガイドのコヤマ タカヒロが回答します。

炊飯器「まとめて炊いて冷凍」「長時間保温」どちらが節約になる?
炊飯器「長時間保温」「まとめ炊きして冷凍」どちらが節約になる?
日々の食生活に欠かせない炊飯器。「まとめて炊いて冷凍する」といった使い方をしている人も多いと思いますが、炊飯器で保温する場合とどちらが節約になるのでしょうか。

「All About」デジタル・白物家電ガイドのコヤマ タカヒロが回答します。
 

(今回の質問)
「長時間保温」「まとめ炊きして冷凍」はどちらが節約になりますか?

(回答)
7時間までなら保温がお得ですが、おいしさを重視するなら冷凍がおすすめです。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

■保温時の電気代は1時間あたり0.4円

ごはんを保温した場合の電気代を計算してみましょう。ここではサンプルとしてパナソニックの「圧力IHジャー炊飯器 SR-CR10A」を選びました。このモデルの保温時の消費電力量は13.0Whです。

これは電気代に直すと、1時間あたり、0.4円になります。つまり、炊飯から12時間保温した場合で4.8円になります。炊飯器の電気代は炊飯時がピークなので、実は保温時の電気代はとても安いことが分かります。

■冷凍した場合の電気代は約3円

続いて、炊いたご飯を冷凍して、お茶碗1杯分(0.5合)ずつ温めて食べた場合を計算してみましょう。冷凍にかかる電気代は今回はカウントせず、電子レンジの温めの電気代のみを計算としました。

3合のごはんを炊いて冷凍した場合、6つの冷凍ご飯ができます。食べる時にそれぞれ500Wで、2分間電子レンジで温めると、電子レンジの消費電力は、パックご飯の温めと同じく、1回あたり0.51円(500W×2×31円÷30=0.51円)です。6つの冷凍ご飯を温めた場合の合計の電気代は約3円となります。

■7時間までは保温がお得だけど…味重視なら冷凍がおすすめ!

保温をする場合の電気代は1時間当たり0.4円、冷凍ご飯を暖める場合の電気代は約3円ということで、「約7時間までなら保温の方がお得」という結果になりました。

しかし、ごはんの食味は炊飯後に保温時間がたつとどんどん劣化していきます。最新の炊飯器は保温機能が向上し、おいしくなりましたが、長時間の保温はあまりおすすめできません。また、近年は「まとめ炊きして冷凍する」というトレンドがあり、最新の炊飯器の多くのモデルが冷凍ご飯メニューを搭載しています。

長時間保温するなら、冷凍した方がいいということです。冷凍する場合、保温後ではなく炊けてすぐのタイミングですることをおすすめします。
 
この記事の筆者:コヤマ タカヒロ
1973年生まれ。家電とデジタルガジェットをメインに雑誌やWebなど様々な媒体で執筆するライター。執筆以外に監修やコンサルティングなども行っており、企業の製品開発、人材教育、PR戦略に関するアドバイザーなども務める。米・食味鑑定士の資格を所有。家電のテストと撮影のための家電スタジオ「コヤマキッチン」を用意。
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