今回は「パックごはん」と「炊飯器」のどちらが節約になるのか、「All About」デジタル・白物家電ガイドのコヤマ タカヒロが回答します。
(今回の質問)
パックご飯と炊飯器、どちらの方が節約になりますか?
(回答)
炊飯器の方が、最大1/4のコストダウンとなります。
■パックご飯のコストは1食あたり120.5円
パックご飯はメーカーやブランドによって価格が異なりますが、おおむね90~200円で購入できます。ここでは最も一般的な価格として120円として考えます。レンジでの加熱は500W出力で2分。電子レンジ500W出力の消費電力は約1000Wなので、電気料金の目安単価である31円/kWhで掛け算をすると1時間の電気代が算出できます。また、実際に加熱する時間は2分なので、さらに30で割ることで、電気代が求められます。
上記の考えを基に計算すると、パックご飯を2分間温めるときの消費電力は0.51円(500W×2×31円÷30=0.51円)。これにパックご飯そのものの価格を足すと、1食にかかる費用が120.5円と分かります。
■炊飯器で1合ご飯を炊くと63.1円かかる
続いて、炊飯器の場合を計算してみましょう。5キロのお米はだいたい2000円で購入できるため、1合のお米の価格は約60円になります。炊飯にかかる電気代は製品によって異なりますが、今回はタイガー魔法瓶の「JRX-T060」を例に挙げて計算します。1回あたりの炊飯時消費電力量は104Wh(エコ炊きメニュー使用の場合)なので、1合のご飯を炊く場合の電気代は約3.1円(0.1kW×31円=3.1円)となります。
これをお米の価格と合わせると、1合のご飯を炊くコストは約63.1円と分かります。なお、水道代は1リットルあたりで0.24円と非常に安いため、今回は計算には入れていません。
■炊飯器のコストはパックご飯の4分の1
1合のご飯を炊飯器で炊くと約300グラムになるのに対し、パックごはんの1回あたりの量は150~200グラムです。また、炊飯器でご飯を炊く際にかかるコストはパックごはんを使用する場合の半分程度のため、炊飯器で炊いた場合のコストは約1/4となることが分かります。もちろん、より美味しく炊ける炊飯コースを選んだ場合や、安いパックごはんを選ぶことで差は小さくなります。ですが、それでもパックごはんの方が安くなることはなさそうです。急いでいるときなどにパックごはんは非常に便利ですが、家計を節約したいと考えるならできるだけ炊飯器で炊く方がよいでしょう。
この記事の筆者:コヤマ タカヒロ
1973年生まれ。家電とデジタルガジェットをメインに雑誌やWebなど様々な媒体で執筆するライター。執筆以外に監修やコンサルティングなども行っており、企業の製品開発、人材教育、PR戦略に関するアドバイザーなども務める。米・食味鑑定士の資格を所有。家電のテストと撮影のための家電スタジオ「コヤマキッチン」を用意。
1973年生まれ。家電とデジタルガジェットをメインに雑誌やWebなど様々な媒体で執筆するライター。執筆以外に監修やコンサルティングなども行っており、企業の製品開発、人材教育、PR戦略に関するアドバイザーなども務める。米・食味鑑定士の資格を所有。家電のテストと撮影のための家電スタジオ「コヤマキッチン」を用意。