「ニートで親に寄生していると思われている」42歳女性、年収300万円、実家暮らしで不満はないが……

All About ニュース編集部は、現在実家暮らしをしている人を対象に、毎月の生活費や貯金額に関するアンケート調査を実施。本記事では福井県三方郡美浜町在住・42歳女性のエピソードを紹介します。

福井県三方郡美浜町在住・42歳女性のエピソード
福井県三方郡美浜町在住・42歳女性のエピソード
経済的な事情や自身の健康状態、家族の介護など、実家暮らしを選ぶ理由は、人によってさまざま。中には、複数の理由が重なって実家暮らしを選択する場合も。

All About ニュース編集部は、2023年9月11日~10月9日の期間、現在実家暮らしをしている人を対象にアンケート調査を実施。毎月の生活費や貯金額、実家暮らしをしている理由などを聞きました。

今回は、福井県三方郡美浜町在住・42歳女性のエピソードを紹介します。

回答者のプロフィール&実家の状況

回答者本人:42歳女性
在住:福井県三方郡美浜町
同居人数:両親、自分
世帯年収:父親400万円、自分300万円
実家の間取り:一軒家7LDK
職業:自営業

生活費や貯金額は?

実家に入れている生活費:5万円
交際費:3万円
毎月のお小遣い:1万円
毎月の貯金額:10万円
貯金総額:500万円

総務省統計局が発表した「家計調査報告書 家計収支編(2021年)」によると、35〜59歳女性の1カ月の平均消費支出は16万4749円です。そのうち、住居費の平均は2万5360円ですが、家賃などは地域や条件によって差が出てくるので、住居費を除いた14万円程度が回答者の属性に近い平均生活費ということになります。

回答者に、実家を出る予定について聞くと「ない」とし、「親の介護が必要になる時期が近いから」と続けました。

気力体力が衰えてきた親と一緒に住んだほうが安心する

現在、実家暮らしをしている理由は「私自身の体調が良くなく、今は余裕を持って暮らせるほどの収入がないので、実家暮らしをしています」と話し、自身の健康面からくる経済的な理由と回答しました。

また、「私は一人っ子ですし、親も気力体力が衰えてきた今は私が一緒に住むことを望んでいるし、私もそのほうが安心だからです」と実家にとどまる意義を語っています。

回答者の実家暮らしは自身の健康や経済面にとってだけでなく、両親にとってもプラスに作用していることが伺えます。

周囲の視線は気になるものの「親との生活はとても楽しい」

実家暮らしの苦悩について尋ねると「親との生活はとても楽しいし、何も不満はありません」と回答。共同生活は問題なく、むしろ楽しく過ごしているようです。

しかし、実家の立地については苦悩があるとのこと。「いかんせん、あまりに田舎過ぎてスーパーへ買い物に行くのにも車で片道15分かかる環境がとても不便です」と交通の便の悪さとその苦悩を説明してくれました。

また、「近所の人からはニートで親に寄生していると思われているので、そういった周りからの目がストレスになっています」と苦悩を明かしました。家族との共同生活は順調なものの、事情を知らない周囲からの目線がすごく苦痛だと感じてしまっているようです。

多少のストレスを感じつつも、順調な実家暮らしを送る回答者。実家での金銭的な悩みについても「有難いことに、お金に関する悩みはありません」と回答しています。

「父がまだ収入があること、何のローンもないこと、田んぼと畑で自家消費する食材がほぼ全部賄えているからです。親からも家にお金を入れることは考えず、その分、自分の通帳に貯金するように言われています」と続け、将来を見越した貯蓄ができていることを明かしました。

※回答者のコメントは原文ママです

この記事の筆者:鎌田 弘 プロフィール
ニュース記事を中心に執筆中のライター。IT企業のメディア担当を経て現在に至る。All AboutおよびAll About ニュースでのライター歴は2年。
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