「アグリー」という言葉は、会議や商談の場でよく使われるようになりましたが、正しく使えていますでしょうか。今回は、「アグリー」の意味や使い方、類語、言い換え表現について解説します。
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<目次>
・「アグリー」の意味とは
・「ディスアグリー」の意味とは
・ビジネスシーンにおける「アグリー」の使い方と例文
・「アグリー」は誤解を招きかねないので要注意
・「アグリー」の類語・言い換え表現
・まとめ
「アグリー」の意味とは
「アグリー」には、「同意する、賛成する、快諾する」という意味があります。相手が発言した内容に同意する際など、主にビジネスの場で使われることが一般的です。「アグリー」は、英語の「agree(アグリー)」から来ており、「同意する、賛成する」という意味を持つ動詞です。英語圏においても、「I agree with you.(私はあなたの意見に賛成します)」と、賛成する意思表示を示すフレーズとして使われています。
意見の一致を表す言葉としてビジネスの場で使われることが多いですが、その際に注意すべきポイントがあります。それは、「アグリー」には相手の意見を「快く」受け入れる、というニュアンスが含まれていること。そのため、本心では賛同できないけれど、しぶしぶ肯定するような場合には適していません。
相手に誤解を招くような使い方をしてしまうと、コミュニケーションに亀裂が生まれてしまうかもしれないので、「アグリー」の意味をしっかり理解することが大切です。
「ディスアグリー」の意味とは
英語の「agree」の反対表現は、「disagree(ディスアグリー)」です。disagreeには、「反対する、相手の意見に否定的である」といった意味があります。相手の提案した内容に賛成できないとき、英語であれば「I disagree with~.(私は〜に反対です)」と使うことが一般的ですが、和製英語の「ディスアグリー」は英語と同じようにビジネスの場で使われることは、ほとんどありません。
なぜなら、「ディスアグリー」には強い否定、拒否のニュアンスが込められているためです。会議や打ち合わせで、「あなたの考えにはディスアグリーだね」と発言してしまうことで、思いがけない相手に不快な思いをさせてしまい、人間関係に亀裂が生まれてしまう可能性があります。
「アグリー」の反対の意味を持つからといってむやみに使ってしまうと、これまで築き上げてきた信頼を失ってしまうかもしれません。「ディスアグリー」には、それくらい強い否定的な意味合いがあることを覚えておきましょう。
ビジネスシーンにおける「アグリー」の使い方と例文
ビジネスシーンにおける「アグリー」は、「あなたの意見に同意する」といった意味があります。相手が発言したアイデアや計画に賛同するときに「アグリー」を用いることで、円滑なコミュニケーションが生まれるでしょう。ここからは、ビジネスの場で使うことの多い「アグリー」の使い方と例文をご紹介します。・会議などにおける「アグリー」の使い方
「アグリー」はビジネスの場で使われることが多く、とくに会議や打ち合わせなど議題に対して話し合う際に使われます。誰かが提案したアイデアに対して賛成するときや、意見を討論し合って最終的な議決に同意するときに「アグリー」を使うと、「私はあなたと同じ意見ですよ」と肯定的であることを示せます。【例文】
「効率を重視するために、無駄な会議や残業を無くすことにアグリーします」
「新しい事業を立ち上げるにあたって、若い人材を投入するというあなたの考えにはアグリーだね」
ただし、会議の場で使う際に注意すべきポイントがあります。それは、「アグリー」をむやみやたらに使いすぎてしまうことです。ポジティブな意味だからと乱用してしまうと、「本当にそう思っているのか?」と疑念を抱かれてしまい、相手の信頼を失う恐れがあります。また、年上や目上の人に使うと言葉の意味を軽く感じ取られてしまう可能性があるので、TPOをわきまえて使用するようにしましょう。
・「反対」を表す「アグリー」の使い方
前述の通り、和製英語である「ディスアグリー」がビジネスの場で使われることは、滅多にありません。意見に賛同できないことを伝えるときは、「アグリーできない」「アグリーすることは厳しい」という表現がおすすめです。
【例文】
「あなたが提案したプランは確かに理想的ですが、現状の予算からして難しいためアグリーできない」
「チームの皆の意見を無視した仕事の進め方には、アグリーしかねるね」
「アグリー」は誤解を招きかねないので要注意
ビジネスの場で使われることが多い「アグリー」という表現。しかし、「アグリー」は日本独自の和製英語ですので、外国の人を前にして使うと発音次第では違う意味で捉えられてしまう可能性があります。英語には「ugly」という言葉があり、これは「酷い、見苦しい」という意味を持ちます。そのため、発音次第では「ugly(醜い)」に聞こえてしまい、意図せぬ思いを伝えてしまうかもしれません。「agree」と「ugly」の違いには、「R」と「L」の発音の違い、イントネーションの違い、また文脈の違いなどが挙げられます。「アグリー」は発音次第では誤解をされてしまう可能性が高いので、海外の人を含めた会議や打ち合わせの際は注意しましょう。