社内でのコミュニケーションや打ち合わせなどで「マスト」という言葉を使う人が多くいます。英単語の「must」の意味は分かっていても、ビジネスシーンでのニュアンスがいまいちつかめないという人もいるのではないでしょうか。この記事では、マストの意味や使い方、例文などを解説します。
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<目次>
・「マスト」の意味とは
・「マスト」と「ウォント」の違い
・「マスト」と「ベター」の違い
・「マスト」の使い方と例文
・「マスト」の対義語
・まとめ
「マスト」の意味とは
マストの意味をひとことで表すと「必須」です。マストは英語で記載すると「must」となり、この場合の直訳は「~しなければならない」または「~する義務がある」などとなります。ビジネスシーンにおいては「外せないこと」「重要」といったニュアンスを表すこともあり、幅広いシーンで使われています。
「マスト」と「ウォント」の違い
マストとウォントの違いは以下のとおりです。
・絶対に〇〇してほしい=マスト
・できれば〇〇してほしい=ウォント
マストとウォントは、希望値の高さに違いがあります。ウォントを英語で表した場合「want」となり、直訳は「~がほしい」です。この2つはやや近いニュアンスで使われるケースがあるものの、重要度の高さには明確な違いがあります。
「マスト」と「ベター」の違い
ベター(better)は主に「〇〇より良い」という意味で使用されます。例えば「A案よりB案のほうがベター」といった使い方です。仮にこの例文でマストを使用する場合「A案がマスト」となり、他の選択肢はありません。マストとベターの意味はまったく違うため、使用時には間違えないよう注意しましょう。
「マスト」の使い方と例文
マストの使い方を日常編とビジネス編に分けて、以下で紹介します。
・日常生活で「マスト」を使う場合
日常生活においてのマストは「〇〇に必要である」といった意味合いで、重要度を強調するために使用するケースが多くあります。
■ファッションにおけるマストの使い方
【例文】「私のコーディネートには帽子がマストアイテムなの」
■買い物シーンにおけるマストの使い方
【例文】「新発売のドライヤーは今季のマストバイ商品だね」
例外として「船のマスト」は異なる意味になるので、混同しないようにしましょう。「船+マスト」で使用する際に限り、船に付属している「帆柱」のことを指します。
・ビジネスシーンで「マスト」を使う場合
ビジネスの場におけるマストは「欠かせない」「外せない」「重要事項である」などといったニュアンスで使用されることが多くあります。
【例文】「今月中に費用の決済が完了していることがマスト条件です」
この例文では「マスト=欠かせない」という意味で使用しています。
【例文】「プロジェクトチームにAさんを入れてもらうのがマスト条件です」
この例文では「マスト=外せない」という意味で使用しています。
【例文】「契約を取るためにマストな資料だから最優先で準備を進めておいて」
この例文では「マスト=重要である」という意味で使用しています。
「マスト」の対義語
マストに対してはっきりした対義語はありませんが、強いて言えば「フリー」「オプション」などが比較対象となります。
・フリー
英語の「free」を直訳した場合、主な意味は「自由」または「無料」です。例えばビジネスシーンにおいては「フリーアドレス」といった言葉があります。フリー(自由)なアドレス(住所)とは、社内に固定のデスクを設置せず、空いている好きな場所で作業できる形態です。マストの場合は「必ず〇〇である」といった1つの事例を指すことが多いため、フリーは反対語に近いニュアンスとなります。
・オプション
オプション(option)は「追加するもの」「自由に選択できるもの」といった意味合いで使用するケースが多いでしょう。
【例文】「このポスター作成にはモデルの起用がマストです。衣装の変更はオプションとして用意できます」
マストは「必須」であることを示しており、オプションは「選択権がある」と幅を持たせた表現になっています。
まとめ
マストは比較的、強い意味で使用されるケースが多いと言えます。仕事上のやりとりで上司やクライアントから「マストで」と言われたら、重要度の高い用件であることを認識しておきましょう。なお、目上の人に対して「マスト」を使うと、文脈によってはやや丁寧さに欠ける印象を持たれてしまうことがあるため、注意しましょう。