日付は「い(1)い(1)フ(2)ランスパ(8)ン」と読めることにちなんで、日本フランスパン友の会によって制定されました。
今回は、フランスパンとバゲットの違い、フランスパンが細長い理由など、違いの分かる人になれるフランスパンの豆知識をご紹介します。
「フランスパン」と「バゲット」の違い
フランスパンは、小麦粉、塩、水、酵母(イースト)だけで作られるフランス発祥のパンの日本での総称。和製英語であり、本場フランスでは棒状のものは「パン・トラディショナル」(pain traditionnel)、それ以外のものは「パン・ファンテジー」(pain fantasie)と呼ばれて分類されます。一方のバゲット(Baguette)は、パン・トラディショナルの一種。フランス語で「杖」を意味している通り、細長い形が特徴で、日本では最も一般的なフランスパンの種類として知られています。
ただ、細長いフランスパン=バゲットというわけではなく、長さや太さの違う「パリジャン」や「フィセル」など他の種類も。中でもバゲットより中身が柔らかく、もちもちした食感の「バタール(batard)」が日本では人気を集めています。
フランスパンが細長い理由
かつてのフランスパンは丸い大きな形のもの(ミッシュ)が主流でしたが、小麦粉の改良に伴って吸水性が上がったことで、17世紀の終わり頃には長い成形も可能になりました。
都市が発展してパンを毎日買いに行けるようになると、人々はよりフレッシュでカリカリした食感のパンを求めるようになり、皮の部分が多くなる細長い形が人気になっていきました。
1778年に初版が発行されたフランスの農学者パルマンティエの著書においても「パリで丸いパンはほとんど姿を消した」と評されています。
ちなみに、細長くなった理由を「1920年代の法規制で夜間に働けなくなったパン職人が焼き時間を短縮するため」あるいは「労働者向けのサンドイッチを効率よく作るため」とする説もあります。
ただ、1920年代より前から細長いフランスパンが主流になっていたことや、長い状態でサンドイッチを作るのは逆に効率が悪いなどつじつまの合わない点があるため、日本パン技術研究所の公式Webサイトでこれらの説は否定されています。
本場にはフランスパンの自販機がある!
フランスパンは、フランスの人々にとっての最重要ソウルフード。なんと、フランスパンの自動販売機があるくらいなんです!2011年から街中に登場したフランスパンの自動販売機は、その場で焼き上げる仕組み! 約3分ほどで出来たての細長いバゲットが出てきます。近年ではすぐに出てくるタイプも確認されていて、さまざまなフランスパン自販機が稼働しているようです。
そういえば、日本は自販機大国なのに「おにぎりの自販機」とかはあまり見かけませんよね。ソウルフード愛でフランスパンに負けていると言えなくもないかも……!
とはいえ、日本のパン屋さんでも本格的なものが味わえるフランスパン。この機会に、お近くのお店で買ってみてはいかがでしょうか。
この記事の筆者:石川 カズキ
1984年沖縄県生まれ。筑波大学人間学類卒業後、会社員を経て芸人・作家・コピーライターに。エレキコミック・ラーメンズを輩出した芸能事務所トゥインクル・コーポレーション所属。第60回宣伝会議賞コピーゴールド受賞、LOFT公式YouTubeチャンネル『コントするイシカワくん』シリーズのコント台本・出演、KNBラジオCMコンテスト2020・2023協賛社賞受賞など。お仕事あればお気軽にご連絡ください。AIから仕事を奪うのが目標です。