外出時の暖房は「つけっぱなし」と「小まめに消す」のでどちらが省エネ?【家電の専門家が解説】

外出時の暖房は、つけっぱなしと小まめに消すのでどちらが省エネにつながるのか、家電エバンジェリストで「All About」デジタル・家電ガイドの安蔵靖志が回答します。

外出時の暖房はつけっぱなしと小まめに消すのでどちらが省エネ?
外出時の暖房はつけっぱなしと小まめに消すのでどちらが省エネ?
暖房はつけっぱなしの方が節電につながるという意見もある一方で、外出時に暖房をつけっぱなしにすることに罪悪感を感じる人もいるのではないでしょうか。

家電エバンジェリストで「All About」デジタル・家電ガイドの安蔵靖志が回答します。
 

(今回の質問)
外出時の暖房はつけっぱなしと小まめに消すのはどちらが省エネになるのでしょうか?

 

(回答)
短時間の外出なら、つけっぱなしの方が省エネになります。


どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

30分程度の外出なら「つけっぱなし」の方が省エネ

ダイキン工業が2017年に実施した実験では、深夜~早朝(23~6時)、日中(6~18時)、夜間(18~23時)のどの時間帯でも、「30分間隔でこまめにオン・オフ」より「つけっぱなし」の方が消費電力量が少ないという結果になりました。つまり、30分程度の外出であれば、外出中にエアコンをオフにするよりもつけっぱなしにした方がお得というわけです。
 
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30分間隔で「こまめに入り切り」した場合の室温、消費電力推移(出典:ダイキン
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「つけっぱなし」にした場合の室温、消費電力推移(出典:ダイキン
この実験では最高気温7.8度の日に設定温度24度で行ったもので、外気温や設定温度によって結果が変わる可能性はあります。ただ、冬は夏に比べて外気温と設定温度の差が大きいケースが多いため、設定温度を変えても似たような結果になると推定されます。

下がった室温を上げるために消費電力が大きくなってしまう

ではなぜ小まめにオン・オフした方が消費電力量が多くなってしまうのでしょうか。それはエアコンをオフにした途端、室温が急激に下がってしまうためです。

この実験だと、30分後に再度オンにしたときには室温が5~6度も下がっており、再度24度まで上げるためにフルパワーで稼働しなければならなくなります。つけっぱなしの場合は24度まで上がった室温をキープするだけで済むため、大きな消費電力を必要としません。そのためこういった結果になるのです。

30分の外出後に帰宅したときには、室温が下がっていて快適性も損なわれてしまいます。さらに電気代も余計にかかるのですから、短時間の外出では電源をオフにしないようにしましょう。
 
この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
 
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