暖房は何度設定にするのが省エネ? 湿度によって「快適さ」が変わる?【家電の専門家が解説】

暖房の温度は、何度に設定するのが省エネなのでしょうか。家電エバンジェリストで「All About」デジタル・家電ガイドの安蔵靖志が回答します。

エアコンの暖房は何度設定にするのが省エネ?
エアコンの暖房は何度設定にするのが省エネ?
寒い日が続くと暖房の設定温度を上げたくなりますが、節電観点ではどうしたらいいのでしょうか。

家電エバンジェリストで「All About」デジタル・家電ガイドの安蔵靖志が回答します。
 

(今回の質問)
エアコンの暖房は何度設定にするのが省エネなのでしょうか?

 

(回答)
環境省が推奨する20度に設定して、なるべく厚着で過ごしましょう。


どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

暖房時の温度設定を1度低くすると約10%の省エネ効果

環境省の「家庭でできる節電アクション」によると、夏の冷房時の温度設定を1度高くすると約13%の消費電力の削減になり、冬の暖房時の温度設定を1度低くすると約10%の消費電力の削減になるとされています。とはいえ、暖房の温度設定があまり低すぎても快適性が損なわれます。

そこで環境省が2005年から実施する「WARM BIZ(ウォームビズ)」では、冬の暖房設定温度を「20度」に推奨しており、官公庁はもちろん、地方公共団体にも「室温19度を目途に過度にならないように適切に調整に努める」という方針で協力を求めています。

室温が20度でも湿度が50%以上であれば“快適”に感じる

室温19度は薄着で過ごすには寒いと思いますので、以下のような対策を施して省エネと快適性を両立することをおすすめします。

■室内でも暖かい格好で過ごす
薄くて軽くて動きやすい機能性素材の下着やシャツなどを着て、室内でも暖かく過ごせるようにしましょう。

■首や手首、足首を温める
首や手首、足首は太い血管が通っているため、その部分を温めることで体を冷えから守ることができます。ボア付きスリッパなどを履いて、足の裏が冷たい床に触れないようにするのもおすすめです。

■湿度を高めに保つ
湿度と体感温度は相関関係にあるといわれています。湿度が上がると体感温度が上がるため、同じ室温でも快適性がアップします。

夏の暑さを数量的に表した指標である「不快指数」は、温度と湿度によって以下のグラフのように示されます。
不快指数
不快指数のグラフ(画像:筆者作成)
このグラフによると、室温が20度でも湿度が50%以上あれば「快適」となっています。加湿器などを使って、湿度が下がらないようにしましょう。
   
この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。
 
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