All About ニュース編集部は、2023年9月11日~10月9日の期間、現在実家暮らしをしている人を対象にアンケート調査を実施。毎月の生活費や貯金額、実家暮らしをしている理由などを聞きました。
今回は、北海道札幌市在住・29歳女性のエピソードを紹介します。
回答者のプロフィール&実家の状況
回答者本人:29歳女性在住:北海道札幌市
同居人数:両親、自分
世帯年収:父親300万円、母親300万円
実家の間取り:3LDK
職業:無職
生活費や貯金額は?
実家に入れている生活費:0円交際費:0円
毎月のお小遣い:1万円
毎月の貯金額:0円
貯金総額:0円
総務省統計局が発表した「家計調査報告書 家計収支編(2021年)」によると、34歳以下女性の1カ月の平均消費支出は16万3767円です。そのうち、住居費の平均は3万8400円ですが、家賃などは地域や条件によって差が出てくるので、住居費を除いた12万円程度が回答者の属性に近い平均生活費ということになります。
回答者に、実家を出る予定について聞くと「ない」とし、「持病があり、現在の状態では実家を出て生活するのが難しい」と回答。
また、恋愛や結婚願望についても「ない」とし、「没頭している趣味があり、他人との交際に時間を割く余裕がない」と話しました。
「ニートになり、また体調の良い時に少しバイト…という繰り返し」
実家暮らしを選択している理由は「精神的な持病があり、継続して働くのが困難な状態にあります」と回答。「精神科にて病気の診断をされて以降、多少体調の良い時はバイトをしていたものの、3ヶ月程度でガス欠状態になり、バイトを辞めニートになり、また体調の良い時に少しバイト…という繰り返しの生活です」と現状の生活を説明してくれました。
健康面からくる理由により実家での生活を送っている回答者。体調が多少回復した際にはバイトでお金を稼いでいるものの、継続して働くことが困難であるようです。
一番の悩みは「金銭面では両親に大変な迷惑をかけている」
また、実家暮らしでは共同生活ならではの苦労があるそうです。「パーソナルスペースが少ない事、両親に子ども扱いされる事が一番の苦労です」と語る回答者。
続けて、「経済的な自立が出来ていない状態でえらそうな事は言えないのですが、実家に住んでいると、20代後半になっても両親が子どもの時と同じように接してきて困ります。 『早くお風呂に入りなさい』『寝なさい』などの声かけは大人としての自尊心を削られるような気がしますし、自室にズカズカと入って来られると心も休まりません」と詳細を話してくれました。
自身の扱いについて、かなり苦悩を感じているようですが、一方で実家暮らしをする上でのお金に関する悩みについては、「正直、実家で養ってもらっている以上金銭面では両親に大変な迷惑をかけていると思うので、お金を家に入れる事が出来ていないのが今一番の悩みです」と語っています。
精神的な理由で実家で暮らすことを必要とし、共同生活ならではの問題を抱えているものの、金銭的な面で両親に迷惑をかけているという負い目を大きく感じているようです。
※回答者のコメントは原文ママです
この記事の筆者:鎌田 弘 プロフィール
ニュース記事を中心に執筆中のライター。IT企業のメディア担当を経て現在に至る。All AboutおよびAll About ニュースでのライター歴は2年。