All About ニュース編集部は、2023年9月11~10月9日の期間、現在実家暮らしをしている人を対象にアンケート調査を実施。毎月の生活費や貯金額、実家暮らしをしている理由などを聞きました。
今回は、愛知県常滑市在住・39歳女性のエピソードを紹介します。
回答者のプロフィール&実家の状況
回答者本人:39歳女性在住:愛知県常滑市
同居人数:両親、自分
世帯年収:父親200~300万円、母パート扶養内、自分はほぼ0円
実家の間取り:1軒家3LDK、納戸
職業:在宅ワーク(ほぼ無職に近い)
生活費や貯金額は?
実家に入れている生活費:0円交際費:5000~1万円
毎月のお小遣い:0円
毎月の貯金額:0円
貯金総額:0円
総務省統計局が発表した「家計調査報告書 家計収支編(2021年)」によると、35〜59歳女性の1カ月の平均消費支出は16万4749円です。そのうち、住居費の平均は2万5360円ですが、家賃などは地域や条件によって差が出てくるので、住居費を除いた14万円程度が回答者の属性に近い平均生活費ということになります。
回答者に、実家を出る予定について聞くと「ある」とし、「結婚予定のため」と回答。
恋愛や結婚については、「ずっと結婚して嫁に行く(実家を出る)ことが親孝行という考えはありました。また、自分の身につけてきたスキルやメンタリティの問題で仕事をずっと続けていくことが難しいという思いに至り、結婚しないと生きていけない(もちろん結婚も甘いものではありませんが)、家族(旦那)の力になれればという考えもありました」と話しました。
「実家を出て生活することは厳しい経済状況」
現在、実家暮らしを選択している理由は「現実的に、働いている頃から自分の給料では実家を出て生活することは厳しい経済状況でした」と告白。「転職もしているため、事務職ではそれほどの収入はありません。家賃・車も持つとほぼ不可能に近いです。実家暮らしを選ばざるを得ない状況です。そのような方は意外と多いような気はします。一人暮らしが怖い(不審者や地震などの災害)という点もありますが……」と、現在の状況を説明してくれました。
経済的な理由で実家を選択せざるを得ないものの、1人暮らし自体に恐怖心を覚えているため、実家暮らしが適していると感じているようです。
「自己否定感に、特に35歳あたりから苦しんできました」
また、実家暮らしではたくさんの苦労があるそうです。「生活基盤が異なるため、私が夜ご飯を食べるような時間には親が寝ています。ガタガタしてしまうような場所で寝ているため、音をたてないようにするとまではしていませんが、何となく気が引けます」と共同生活面での苦悩を回答。
また、「実家暮らしから抜けれない(実家にいないと生活ができない)という自己否定感に、特に35歳あたりから苦しんできました。そういった面もあり精神的に追い詰められ、体調を崩した面もあります」と続けています。
さらに「この先親も年齢を重ねていくため、若い頃や35歳あたりでは考えなかった、親だけになって弱っていったり車移動ができなくなったりする際に、逆に自分や兄弟がいた方が良いのではないかという考えも出てきました」とも語っています。
実家に住むことで生じるメンタル面での問題に苦しむ回答者。しかし、両親の今後を考え実家暮らしを続けた方がいいとも思っており、さまざまなことを思慮する必要がありそうです。
また、就職していた頃を回想し、「働いている頃は少しは実家にお金を入れていました。それでもやはり親にお金をかけさせている面が多いという感覚はありました。自分で食べるご飯(お昼の弁当などではなく朝ごはんに使うものなど)日用品など、なるべく自分で買ってそれは生活費に含めないと考えていました」と、お金についての考えを告白。
しかし、「今は働けなくなり、全てを親に頼っている状態です。親も生活は苦しいようで、申し訳なさでいっぱいなのですが、現状の自分自身がそれどころではありません」と、本音を告白しました。
※回答者のコメントは原文ママです
この記事の筆者:鎌田 弘 プロフィール
ニュース記事を中心に執筆中のライター。IT企業のメディア担当を経て現在に至る。All AboutおよびAll About ニュースでのライター歴は2年。