(質問)
女性の転職でよく見られる「失敗事例」は何でしょうか? 事前に注意しておくポイントはありますか?
(回答)
(1)「転職」が目的になり、「転職でかなえたいこと」がイメージできていない、(2)思い込みや誤解で選択肢を狭めてしまう、(3)面接対策をしない、などがよくある失敗事例です。
性別問わず誰にでも起こり得ることですが、筆者の経験上、女性の転職ではこの3点が失敗事例として多く挙げられます。以下で詳しく解説していきます。
(1)「転職」が目的になり、「転職でかなえたいこと」がイメージできていない
転職の成功=転職することではありません。「年収アップ」「ジョブチェンジ」「居心地のよいチーム」など、人によって転職でかなえたいことは異なりますが、それを具体的にイメージできていない場合があります。
例えば、「給与が低い」から転職活動を始めたのに、具体的にいくら欲しいかを定めていない。「人間関係」にストレスを感じて転職活動をはじめたのに、転職後の職場環境を確認しないなどのケースは多々あります。
対策として、給与は具体的な条件を事前にヒアリングし、書面もしっかり確認しておくこと。人間関係についても、社内見学や現場社員面談をさせてもらう、チームメンバーの雰囲気を聞いておくなどの対策が必要です。
(2)思い込みや誤解で選択肢を狭めてしまう
「働きやすい=事務職」「安定している=大企業」といった固定観念があると、自分自身のキャリア選択の幅を狭めてしまうことがあります。『女の転職type』の利用者の行動を見ていると、同じ条件で何度も検索を繰り返し、同じ求人ばかりを見ている人が多くいます。
例えば、絶対に妥協できない勤務地や給与などは固定したまま、職種を広げて検索することで、新たな可能性が広がるかもしれません。
事務職などは未経験で活躍しやすいと思われがちですが、実は倍率が高く、ライバルが多い職種です。営業職、クリエイティブ系、ITエンジニアなどの仕事でも未経験者を募集している求人は多くあります。なかなか良い求人に出会えない、書類選考が通らないという場合は、どうしても譲れない条件以外を変更することも大切です。
(3)面接対策をしない
新卒の就職活動と違い、中途採用では書類選考から数日後には面接があることも多いため、対策が間に合わない人が多くいます。
『女の転職type』が2023年6月20日~7月3日、会員を対象に実施した調査では、「緊張してうまく話せなかった」「企業の下調べが不十分だった」「いい質問(逆質問)ができなかった」が面接で失敗や後悔したことの上位でした。
面接で大事なのは相手を知ると同時に、自分を知ってもらうことです。面接前にしっかり自分の経歴や業務内容を整理しておきましょう。そして、自分の「強み」をはっきりと言葉にできるように練習することが大切です。特に女性は自分を過小評価しがちなので、自分の強みを声に出して話す練習をすることをおすすめします。
この記事の筆者:小林 佳代子
新卒でキャリアデザインセンター入社。転職情報誌および転職サイト『type』『女の転職type』で、1000社以上の求人広告制作に携わる。2018年『女の転職type』編集長に就任。プライベートでは2児の子育て中。