「あの」ちゃんは、なぜここまでブレークした? トーク力の高さと頭の良さが光る異色のアイドル

バラエティ番組などを中心に、大活躍中の「あの」ちゃん。なぜ、突然変異のようにブレークを果たしたのでしょうか。その魅力とこれまでの活動を、元テレビ局スタッフが解説します。(サムネイル画像出典:公式Webサイト)

「あの」ちゃん
「あの」ちゃん(画像出典:公式Webサイト
テレビ番組では、日々さまざまなバラエティタレント(通称:バラドル)が活躍しています。中でも2023年特に異彩を放ち注目を集めているのが、「あの」ちゃんです。

各バラエティ番組にゲスト出演し、10月からは新たな競馬番組『ウマウマ!~アノミズキのビギナー育成TV~』、11月からはバラエティ番組『あのちゃんのささやかな気持ちですが…』(共にフジテレビ系)のメインキャラクターに就任するなど、向かうところ敵なし状態で快進撃を続けています。

そんな「あの」ちゃんの魅力を、アイドル時代から間接的ではあるものの取材をしていた元テレビ局スタッフの筆者が解き明かしていきます。

異色のアイドルとして存在感を発揮

「あの」ちゃんを語る上で外せないのが、音楽活動です。アーティストとしての歴史は長く、アイドル・ガールズグループの「ゆるめるモ!」には2013年9月に加入しています。
 


「ゆるめるモ!」は、ニューウェイブを軸としてさまざまなジャンルの音楽的な要素が取り入れられ、衣装もかわいく女性ファンも多いグループです。日本のニュー・ウェイヴ・バンド「POLYSICS」のハヤシヒロユキさん、後藤まりこさんやDOTAMAさんら、さまざまなミュージシャンとのコラボも実現。アイドルグループとしては、異色の存在として人気です。

「あの」ちゃんは、「ゆるめるモ!」に2019年9月まで在籍。その間に、多くのファンを獲得しました。
 

「ano」名義でソロ活動を開始

その実績はテレビ業界でも話題となり、2020年9月4日に「ano」名義でソロ活動を開始すると、すぐにテレビ朝日系で冠番組『あのちゃんねる』がスタート。「ゆるめるモ!」の活動を知らなかった人も、かわいらしいビジュアルと独特な話し方のキャラクターに注目し、さまざまな番組などにいきなり登場するようになります。

急激にメディアで消費される中で、「あの」ちゃんがブレなかったのは、音楽という1つの軸があったからです。現在は、バンド・I’sとしても活動していますが、ロックからポップス、ダンスミュージックまでさまざまなメロディで自分を表現。

これまで、テレビアニメ『チェンソーマン』(テレビ東京ほか)のエンディングテーマとなった『ちゅ、多様性。』や『スマイルあげない』はスマッシュヒットを記録しています。

新曲の『涙くん、今日もおはようっ』は、悩みを抱えるティーンネイジャーにそっと寄り添うようなやさしい楽曲で、生きる素晴らしさを歌い上げる感動的な1曲。表現者としての幅をさらに広げる名曲となっています。

そんな「あの」ちゃんですが、ライブでは過激に客席にダイブすることでもおなじみで、1度行くと病みつきになるエモーショナルなステージばかり。アーティストとしての評価が高く、音楽という軸があるからこそバラエティ番組でも、毒舌や無茶なこともできる安心感があるのではないでしょうか。

その結果、現在視聴者に支持されている、かわいらしい見た目なのに無茶苦茶な言動をする、「あの」ちゃんというキャラクターが生み出されているのでしょう。
 

>次ページ:テレビで見せる、トーク力の高さと順応性
 

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