洗った後の洗濯物に、小さな黒いカスが付いていたことはありませんか? このカスの正体や洗濯機の適切なお手入れ方法を、「All About」白物・美容家電ガイドの田中真紀子が回答します。
(今回の質問)
洗濯物に黒いカスが付き始めました。これは何ですか?
(回答)
黒いカスの正体は「黒カビ」。洗濯槽の裏側に黒カビが発生しています。洗濯槽クリーナーでお手入れしましょう。
洗濯槽クリーナーには「酸素系」と「塩素系」の2種類がある
洗濯槽は湿気が高い状態にあることが多く、さらに汚れが付着しているため、カビが発生しやすい環境になっています。そのため、定期的にお手入れが必要です。
黒カビの防止には「洗濯槽クリーナー」を使って洗濯槽をお手入れするのがおすすめ。「酸素系」「塩素系」の2種類があるので、それぞれの特徴を確認しておきましょう。
1. 酸素系クリーナー
過炭酸ナトリウムの泡が、洗濯槽にこびりついたカビを浮かせてくれます。水を張った中に酸素系のクリーナーを入れて放置しておくと、黒カビの塊がワカメのようにたくさん浮かんできます。何度かすすぎを繰り返すときれいになります。
2. 塩素系クリーナー
塩素があらゆる汚れを分解してくれます。細かい隙間に入り込んだ汚れや雑菌まで全て溶かしてくれるため、“一網打尽”に汚れを取り除くことができます。分解してしまうため、酸素系のように何かが浮いてくることはありません。
塩素系は肌への刺激&塩素臭が気になる場合も
なお塩素系クリーナーは刺激が強く、塩素臭もするため、赤ちゃんや肌が弱い人、塩素臭が苦手な人がいる場合には酸素系クリーナーがおすすめです。
一方、塩素系クリーナーは除菌、ニオイ対策までしっかりしてくれますので、肌への刺激や塩素臭が気にならず、徹底的にきれいにしたいという人は塩素系クリーナーを使うといいと思います。
フィルターやパッキン裏などは日常的にお手入れを
ニオイ対策のためには、洗濯槽以外の日常的なお手入れも大切。ドラム式洗濯機なら、「排水フィルター」やパッキンの裏を、縦型洗濯機なら「糸くずフィルター」を確認してください。糸くずやホコリがたまっている場合は、その都度取り除くといいでしょう。また、乾燥機能付きの洗濯機の場合は「乾燥フィルター」に付いたホコリも取り除いてください。
さらに「洗剤自動投入機能付き」の洗濯機は、タンクや経路(洗剤や柔軟剤が通る管)も掃除してください。定期的にお手入れしないと詰まってしまう可能性があります。
こういったお手入れは面倒に感じる人も多いと思います。最近では自動槽洗浄機能やフィルターレスなど、お手入れの手間を省いてくれる機能が搭載された洗濯機も登場していますので、気になる人はチェックしてみてはいかがでしょうか。
白物家電、美容家電の専門家兼ライターとして活躍。日々発売される新製品をチェックし、製品の紹介記事やレビュー記事を雑誌やWeb、新聞などで紹介している。日常的にも話題の新製品を使うことで、ライフスタイルに合わせた選び方や、上手な採り入れ方の提案も行っており、テレビ出演も多数。